今回も、広告界の最前線で活躍するクリエイティブディレクター、コピーライター、CMプランナーが審査員を務めます。その数、なんと100人!
このコーナーでは、審査員の皆さんが日替わりで毎日登場します。プロのコピーライターの皆さんは一体、どんなシチュエーションでコピーを生み出しているのでしょうか?宣伝会議賞のグランプリ、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもお届けします。
本日は、電通の阿部光史さんへのインタビューを紹介します。
空前のチワワブームを巻き起こしたアイフルのテレビCM「どうする?アイフル!」を手がけたクリエイティブディレクターです。最新作としては、キヤノン「IXY」のキャンペーン広告が挙げられます。女優・吉高由里子さんを起用した広告が、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。キヤノン「IXY」のテレビCMはこちらで見られます。
――すぐれたコピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?
阿部さん 企画会議中に、「たとえばこんなコピーで…」と頭の中で組み立てながら、説明している時ですね。
――確かに、誰かに説明することで、頭の中にあるアイデアを整理することができそうですね。そうしてコピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
阿部さん 三菱鉛筆ユニプロッキー太字角芯+細字丸芯(黒)、ステッドラー0.9ミリシャープペンシル(芯の濃さはB)、そして大量のA4(時にはA3)コピー用紙です。
――お仕事の道具を、かなり具体的に決めていらっしゃるのですね!応募者の皆さんも自分なりに「コピーを書くときはこれ!」というツールを決めることで、“ゲン担ぎ”もできそうですね。最後に、今年第50回を迎えた宣伝会議賞に、何かメッセージをいただけますでしょうか。
阿部さん 50周年おめでとうございます。これからも末長く、人の心に灯りを点すコピーが生まれる賞であり続けることを願います。
――応募締切まで、残り48日。人の心を動かす、世の中を明るくする、企業の課題を解決する……どんなコピーが集まるのか、いまから楽しみです。
次回は、電通・濱田雄史さんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞への応募経験もある濱田さん。応募者の皆さんへの熱いメッセージにご期待ください。
阿部光史(電通/クリエーティブディレクター)
第4CRプランニング局。クリエーティブディレクター。主な仕事に、アイフル「どうする?アイフル!」、「豆しば」アニメシリーズCDなど。NYフェスティバル、TCC賞、ACC賞、広告電通賞など受賞。スパイクスアジア、LAメビウス賞などの審査を担当。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- こやま淳子さん「宣伝会議賞で、仕事では鍛えられない筋肉を鍛える」
- 横澤宏一郎さん「応募経験が、クリエイティブ職を目指す自信になる」
- 三井明子さん「たいくつな映画を観ているときにもコピーが生まれる」
- 富田安則さん「重要なのは、応募に自分なりの目的を持つこと」
- 原晋さん「コピーは、ひらめかない」
- 林尚司さん「アイデアが浮かんだらすぐに書きとめる」
- 尾形真理子さん「景色や人など、情報量の多さが刺激になる」
- 岩田純平さん「コピーライティングのマストアイテムはやる気、味方、しめきり」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。