「『コピー年鑑』を、コンビニに」。
ブラジルはサッカーが強い。その理由のひとつは、競技人口が多いから。「ピラミッド」の裾野が広ければ、自然と厚みが増し高く連なる。これは広告の世界もいっしょ。しかし、頂を目指す者がその手がかりにする『コピー年鑑』は、高い。気軽に手を伸ばせる価格では、決してない。
そんな現状を打破するには、『コピー年鑑』をコンビニに置いてしまおう。雑誌を立ち読みするような感覚で、気軽に。そしてあくまで意識的に広告と向きあう機会をより広く提供する。流通の調整はもちろん、年鑑のロット数自体を格段的に増やす必要がある。そのためには、私が『コピー年鑑』の編集委員長になる。手始めに、私は宣伝会議賞を獲る。
体を動かす広告をつくれるコピーライターに
人の心だけでなく、体を動かす広告をつくれるコピーライターになりたいと思っています。
砂でつくられた親子の像が、打ち寄せる波に崩される「消える砂の像」というテレビCMによって、私は実際に体を動かされた経験があります。地球温暖化は未来の問題ではなく今を生きている自分自身の問題、つまり自分は当事者なのだという意識を喚起されました。使っていない部屋の灯りは消す、買い物の時はレジ袋を持ち歩くなど、私自身が具体的に行動を起こすようになりました。これは公共広告機構のメッセージが届いたということ、つまりクライアントの目的を達成した証拠でもあると思います。このCMがきっかけで広告をつくる仕事がしたいと思い、一度大学を辞めた身でありながら、改めて別の大学に入り、コピーライター養成講座へ通うことにもなりました。養成講座では「消える砂の像」のCMに携われた電通中部の鎮目彰夫さんから、CM制作時の話を直接伺うことで、コピーや企画だけでなく、現場のスタッフの功労が大きかったことを知る機会にも恵まれました。
著名なクリエイターと仕事がしてみたい、広告賞を獲るような作品に関わりたいという気持ちもあります。しかし、それは手段であったり、結果として自ずとついてくるものだとも思います。「商品を買ってみたい」「サービスを利用してみたい」というような何らかの購買活動につながる、クライアントの目的を達成することのできるコピーライターになりたいと思います。
明日は、佐久間仁美さん(25歳)の「宣伝会議賞チャレンジ宣言(1)決意の9月 編」をお届けします。挑戦者16人のプロフィールはこちらから。
挑戦者16人のプロフィールはこちらから。
【宣伝会議賞チャレンジ宣言(1)決意の9月編 バックナンバー】
- 「グランプリを獲って素敵な初老を迎えたい」中島彰則さん(33歳)
- 「コピーライターとして、自分の名前で勝負できているか?」赤星薫さん(32歳)
- 「趣味の“大喜利”活かして宣伝会議賞に初挑戦」森本祥司さん(28歳)
- 「宮古島から初の宣伝会議賞グランプリを目指す」富山忠彦さん(37歳)
- 「名誉こそ、この賞に応募した最大の理由です」井上真木さん(29歳)
- 「自分の力試しと、夢を叶えるための糧としてグランプリを目指したいです」笹本貴大さん(22歳)
- 「次回のブログ更新までに3000本書きます」郡司淳さん(27歳)
- 「受賞して、挑戦権を剥奪されたい」安部翔さん(28歳)
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。