今回も、広告界の最前線で活躍するクリエイティブディレクター、コピーライター、CMプランナーが審査員を務めます。その数、なんと100人!
このコーナーでは、審査員の皆さんが日替わりで毎日登場します。プロのコピーライターの皆さんは一体、どんなシチュエーションでコピーを生み出しているのでしょうか?宣伝会議賞のグランプリ、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもお届けします。
本日は、サーチアンドサーチ・ファロン 服部タカユキさんへのインタビューを紹介します。
Google、YVES SAINT LAURENTなどをクライアントに持ち、最近の仕事としては、WEBサイトのスマートフォン最適化を促進するGoogleのグローバルキャンペーン「GoMo」のキャンペーンビジュアルが挙げられます。
――コピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?
服部さん ずーっと考えてて、あきらめて寝て、起きてしばらく経ってから、とかですかね。
――行き詰まったら、一度手を放して、頭を整理することも重要かもしれませんね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
服部さん A3のコピー用紙、緑のプロッキー、そして新明解国語辞典です。辞典は、職場用と自宅用で同じものが2冊あるくらいです。
――ある言葉を調べていて、ふと目に入った隣の言葉が、思いがけずヒントをくれる。何でもネットで検索できる時代ではありますが、紙の辞書では、そんな言葉との出会いもありますよね。最後に、今年で第50回を迎えた宣伝会議賞に、何かメッセージをいただけますか。
服部さん かつては自分も「コピーライターになりたい」という思いを抱いて宣伝会議のコピーライター養成講座に通った学生だったわけなのですが、あらためて思い返してみると、あのときに講師の先生方に教わったことをわりと愚直に継続している自分がいて。それで審査員のお声までかかるようになったというのは、なるほど感慨深いものだなぁと思います。
――コピーライターを志した頃の初心を貫いてきたことが、服部さんの今の活躍につながっているのですね。まずは基本を守り、それを確実に身につけることが、クリエイティブジャンプを生み出すスキルの土台になるのではないでしょうか。
次回は、新東通信の岩田正一さんへのインタビューを紹介します。
コピーライターという職業への思いも伺いました。お楽しみに!
服部タカユキ(サーチアンドサーチ・ファロン/シニア・クリエイティブ・ディレクター)
1974年生まれ。主なクライアントにGoogle、YVES SAINT LAURENTなど。ロンドン国際広告賞、NYフェスティバル、クリオ賞、ワンショー、日本産業広告賞金賞、ACC賞、ACCジャーナリスト賞、ACCローバジェット賞、毎日広告デザイン賞、日経広告賞、TCC新人賞、TCC審査委員長賞など受賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 安路 篤さん「コピーは、発見と切り口」
- 薄 景子さん「編集者の感覚を持つと“生きたことば”が書ける」
- 小川英紀さん「机の前でウンウンうなる」
- 玉山貴康さん「受賞できなかった悔しさが、今につながっている」
- 鵜久森 徹さん「アイデアを練る場所に、こだわりはない」
- 吉澤 到さん「クライアントがコピーライターに期待する役割はより大きく、重くなっている」
- 濱田雄史さん「一次と二次の審査結果を見ると、自分のコピーが“当たり”かわかる」
- 阿部光史さん「人の心に灯りを点すコピーを」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。