一番のきっかけは、人事から言われたある一言
初めまして。広告会社で、テレビ関係の仕事をしております、小橋元樹と申します。2012年度入社、平成元年生まれの新入社員です。下の名前は、「ゲンキ」と読みます。このたびは、コラムを書く機会をいただけることを大変ありがたく思っております。名前通り、元気一杯に書いていけたらと思います。
さて、初回のテーマが、「第50回『宣伝会議賞』チャレンジ宣言!」ですが、僕がコピーライターを目指すようになったきっかけを。一番のきっかけは、昨年の内定期間に人事から言われた、ある一言でした。「―いや。お前、トイレ掃除配属だから^^」。・・・トイレソウジ? いや、おかしい。広告の仕事がしたくて、この会社に入るのではないのか? トイレからビックアイデアってことか? きれいにするなら4Fのトイレやな。いやまて、おかしい。
でもあの言葉が悔しかったから、何かにチャレンジしたいという気持ちになれたのだと思います。そもそも私の大学時代は、「専門領域の研究(法学部)を極めていない」「TOEIC の点数も悪い」「ネットでは、ソーシャルテロリストと呼ばれる始末・・・」などなど、超ドメスティックでアナログなものでした。
そんな人間なので、人事の方から冗談で、「配属先はない。お前は、トイレ掃除配属」と言われたのです。もちろん、人事の方はハッパをかけてくれていたのですが、僕の方はもうショックで(笑)。周りの想像を超えたくて、鮮やかに裏切りたくて、「今の自分ではダメだ」と考えたのが、一番初めのきっかけになりました。
目標は1000本、すべての課題に応募
さてしかし、そう思った時、周りの内定者を見渡してみると、とんでもなく優秀な大学の人がいれば、学生で起業していた人がいれば、英語・中国語ペラペラな人もいるわけで、 「THE普通22歳」の自分には何ができる? ということを真剣に悩みました。 そんな時にヒントをくれたのが、同期アート職(芸術系の大学を出た人たち)の仲間たち。
デザインという、普通の大学生が触れたことのない、色や音や動きの世界。そんな世界に私は衝撃を受けました。正直、デザインとアートの違いも、デザインが課題解決だということも知りませんでした。デザイン視点で課題を見つけ、解決する力。世の中をちょっとだけHAPPYにするアイデア。それをカタチにする技術と根性。それは、広告業界がこれからどんな局面を迎えようとも、新しい道を鮮やかに魅せてくれるだろうと感じました。
彼らと共に、誰かをハッとさせるものをつくりたい。その方法として、言葉やアイデアを極めたコピーライターという仕事があることを知ったのです。因みに昨年冬、広告業界アート職内定者の方を集めて開催した「人生の夏休み展」という展示会の成功で、その想いは一層強くなりました。
今は関西支社に配属され、テレビ関連の部署で働いておりますが、今回の宣伝会議賞は将来コピーライターになるための大きなステップにしたいと考えております。目標は、1000本のアイデアを出し、宣伝会議賞すべての課題に応募することです。
「トイレ掃除配属」
あのひとことがなかったら、今の僕はいないかもしれない。そんな言葉です。これから数カ月、よろしくお願いいたします。
明日は、高田寿実さん(36歳)の「宣伝会議賞チャレンジ宣言(1)決意の9月編」をお届けします。挑戦者16人のプロフィールはこちらから。
【宣伝会議賞チャレンジ宣言(1)決意の9月編 バックナンバー】
- 「職業ガイドブックをパッと開いてあったのが、コピーライター」高倉宏侑さん(21歳)
- 「3年間で出会った人の分だけ、迷った分だけ、宣伝会議賞と戦える」佐久間仁美さん(25歳)
- 「『コピー年鑑』の編集委員長になる。手始めに、私は宣伝会議賞を獲る」 永井一二三さん(30歳)
- 「グランプリを獲って素敵な初老を迎えたい」中島彰則さん(33歳)
- 「コピーライターとして、自分の名前で勝負できているか?」赤星薫さん(32歳)
- 「趣味の“大喜利”活かして宣伝会議賞に初挑戦」森本祥司さん(28歳)
- 「宮古島から初の宣伝会議賞グランプリを目指す」富山忠彦さん(37歳)
- 「名誉こそ、この賞に応募した最大の理由です」井上真木さん(29歳)
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。