貝洲岳洋(電通 コーポレート・コミュニケーション局/宣伝会議コピーライター養成講座2009年春・基礎コース修了)
『セレンディピティ(英: serendipity)は、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。』
(「Wikipedia」より引用)
貝洲岳洋と申します。初めての方はフリガナないと読めませんよね。変わった名前ですが「カイスタケヒロ」といいます(貝洲という苗字を名乗っているのは、日本全国で神戸の親族と我が家の2家族しかいないのではないかと勝手に思っています)。縁あって10月のコラムを担当させて頂くことになりました。1カ月どうぞよろしくお願いします。
はて、早速困りました。プロフィールを見ていただくとお分かりのように、僕には素敵な「肩書き」がありません。もちろん輝かしい「受賞歴」も… というわけで僕は「職業としてのコピーライター」について書くことは出来ません。(コピーライター養成講座のことについて知りたい方は、僕が通った直後に書かせて頂いた「修了生の声」をあくまで一意見としてご覧ください。今読むとエラそうなことばかり書いてて恥ずかしいのですが・・・)
それでも時間を割いて読んで頂けるという方に、ほんの少しでも楽しんでもらうためにどうすれば良いか無い知恵を総動員して考えた結果、もしかしたらちょっとだけ珍しいかもしれない僕の「広告にまつわる幸運な巡り合わせ」について書くことにしました。箸休め程度のライトな内容になってしまうと思いますが、しばしの間お付き合いください。
一人三都物語
Wikipediaの引用ばかりで恐縮です、、本タイトルの三都は『現代の三大都市圏の中心都市。すなわち、東京・大阪・名古屋のこと』を指します。東京で生まれ、約28年間を過ごした僕にとって、前職のアイ・アンド・キュー アドバタイジング時代に経験した名古屋・大阪への転勤はものすごくエポックメーキングな出来事でした(それぞれわずか8カ月、1年ちょっとの短い勤務期間でしたが)。
仕事では営業として流通関係のクライアントさんの担当になり、四国や九州などたくさんの未踏の地で仕事をさせて頂いたことが印象に残っています。他にもいろいろ書きたいことはあるのですが、この経験を通じて一番強く感じたのは「アウェーをホームにする難しさ」です。
転勤した当初、僕は周りの人たちの態度や言動から、「自分が色メガネで見られている」と感じました。東京から来ている人に対してはみんなそうなのかな、と思いながらすごく気にしていました。明確にこれ、というきっかけはないのですが、ある時ふと「自分が周りの人たちのことを色メガネで見てしまっていたのではないか」ということに気付きました。自分は典型的な「カッコツケ東京人」だった。違うコトバ・違う習慣の中で生活してきた人たちのコミュニティによそ者が入っていくためには、まず自分を表面だけでなく本当の意味でさらけ出さないといけない、以後これを実践していこうと決めました。
その甲斐があったのかどうか分かりませんが、大阪時代に会社きってのコワモテの先輩(アメフト出身でムキムキの方)に毎日のように飲みに連れていって頂いたのは今でもすごく良い思い出です。先輩、当時は本当にありがとうございました! でも、今でも酔っ払って飲み会のたびに電話をかけてくるのはやめてください(笑)
人の文章でよく見た言葉ですが、書いていると本当にあっという間ですね。次回は東京に戻った僕がコピーライター養成講座に通い、コミュニケーション・デザインと出逢ったいきさつについて書きたいと思います。
貝洲岳洋(かいすたけひろ)
電通 コーポレート・コミュニケーション局。1979年東京都生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒業。創芸(現DGコミュニケーションズ)、アイ・アンド・キュー アドバタイジングを経て電通に入社。次世代コミュニケーションの研究・開発を目的とする社内横断ヴァーチャル組織「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」に参加。
(極私的)広告セレンディピティ(2)はこちら
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『コピーライター養成講座』
講師は一流のコピーライターが直接指導 プロを育てる実践型カリキュラム
いまでも多くの有名クリエイターを輩出している本講座。幾度かの改変を経て、内容を一新。コピーやCMといった、広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。