アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、サン・アドの笠原千昌さんへのインタビューを紹介します。最近の仕事には、ユニー・サークルKサンクス・ファミリーマート・伊藤忠商事の4社によるプロジェクト「からだスマイルプロジェクト」から生まれたブランド「ハハのキモチ」や、ワコールの下着ブランド「une nana cool」など、女性らしい視点が生きた作品が多く見られます。
「ハハのキモチ」のコピーはこちらからも見られます。
——コピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?
笠原さん 音楽がかかっていない、静かな場所。時間でいうと、午前中の、人の少ない時間が好きです。
——外界との接触を絶って心を落ち着け、自分の心とまっすぐ向き合うことで浮かんでくるアイデアもありそうですね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
笠原さん STAEDTLERの0.9mmのシャーペン。2Bの芯。コーヒーとチョコレート。
——なんだか、おしゃれな仕事場が目に浮かぶような気がします…!さて、第50回を迎えた宣伝会議賞も、応募締切まで残り30日となりました。笠原さんがコピーライターとして大切にしている思いや、コピーライターを目指す応募者の皆さんへのメッセージを聞かせてください。
笠原さん やっぱりコピーライターであるならば、「うまいこと言うな〜」と言わせたい。同じことを伝えるにも、言い方・伝え方はたくさんあるから。何通りも何通りも、自分で書いてみて、最高の1本にたどり着く努力を怠らないこと!
——9月1日からスタートした宣伝会議賞も、ようやく(早くも?)折り返し地点。応募者の皆さんには、最後まで諦めることなく、最高の1本を追求していただきたいですね!
次回は、電通九州の左 俊幸さんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞への応募経験もお持ちの左さん。当時のエピソードも伺いました。お楽しみに!
笠原千昌(サン・アド/クリエイティブ・ディレクター、コピーライター)
SUNTORY プレミアムクリア「空色のウーロン茶」、une nana cool「ぱん つー まる みえ」、ハハのキモチ「どうせなら、ちゃんと食べてもカロリー抑えめの十勝つぶあんぱん。母より」、UA Station Store / UA Highway Store combiなど。TCC新人賞、NY ADC賞、朝日広告賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 森田直樹さん「コピーライターは“言葉守”になるべき」
- 赤城廣治さん「今の時代に求められるコピーライターとは、独自の『いいね!』を押せる人」
- 中村猪佐武さん「良いコピーを生むのは、ADやプランナーとの『あーでもないこーでもない』」
- 岩田正一さん「コピーライターは、『想いを言葉にする』仕事」
- 服部タカユキさん「コピー講座で教わったことを愚直に守り続けた」
- 安路 篤さん「コピーは、発見と切り口」
- 薄 景子さん「編集者の感覚を持つと“生きたことば”が書ける」
- 小川英紀さん「机の前でウンウンうなる」
- 玉山貴康さん「受賞できなかった悔しさが、今につながっている」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。