アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、電通九州の左 俊幸さんへのインタビューを紹介します。
宣伝会議賞への応募経験もお持ちの左さん。最近の仕事には、別府競輪のテレビCM「別府競輪の男達 第2章」が挙げられます。実際の競輪選手が出演、さまざまなテーマで“ゆるい”会話を繰り広げる全26話のCMが、動画配信サイトなどでも話題になっています。
——コピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?
左さん グラフィックのコピーは喫茶店(ベローチェ)で、テレビCMのコピーは本編集中の編集室で思い浮かぶことが多いです。
——映像に触れることで、コピーだけをひたすら考えている時とはまた違ったアイデアが浮かんできそうですね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
左さん ペン(会社の備品です)、ノート(会社の備品です)、タバコ(やめたいです)。
——コピーを書くときに意識していることというと、どんなことがあるでしょうか?
左さん 僕がコピーライターになりたての頃は、まだ「良いとされるコピーの型」のようなものがあって、極端な話、それっぽく書いておけば、仕事として成立したり、賞がとれたりしていました。
でも最近は「そのコピーが本当に機能しているかどうか」がクライアントさんからも、広告賞でもすごく問われている感じがあります。だからその……今はもう、「コピーの型」にとらわれず、好きに書くしかないかなと思ってます。
——左さんは、宣伝会議賞への応募経験もお持ちですよね。当時のエピソードを聞かせてください。
左さん 僕が応募していた当時は受付が郵送のみでしたので、締切日ギリギリの、締切時間ギリギリ(24時)に、郵便局に持って行っていた記憶があります。ギリギリまで書いていた記憶もあります。で、そのギリギリにしかやらない感は、今でも全く変わっておりません。我ながら残念です。
——今回からはWeb応募に切り替わりましたので、当時よりは、いくらか負担が軽くなるかもしれません。が、応募者の皆さんには、締切ギリギリまで根気よく取り組む姿勢は、ぜひ変わらず持ち続けていただきたいですね。
次回は、大広九州の國武秀典さんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞に応募していた頃のエピソードや、その取り組みを通して得られた気づきについても伺いました。ご期待ください。
左 俊幸(電通九州/コピーライター、CMプランナー)
1975年生まれ。主な仕事に「別府競輪の男達」テレビCM、「AIC得子ちゃん・オーダールーム」テレビCMなど。
TCC賞、FCC最高賞(02・08)、CCN最高賞(08・11)、クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリストなど受賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 笠原千昌さん「最高の1本にたどり着く努力を怠らない!」
- 森田直樹さん「コピーライターは“言葉守”になるべき」
- 赤城廣治さん「今の時代に求められるコピーライターとは、独自の『いいね!』を押せる人」
- 中村猪佐武さん「良いコピーを生むのは、ADやプランナーとの『あーでもないこーでもない』」
- 岩田正一さん「コピーライターは、『想いを言葉にする』仕事」
- 服部タカユキさん「コピー講座で教わったことを愚直に守り続けた」
- 安路 篤さん「コピーは、発見と切り口」
- 薄 景子さん「編集者の感覚を持つと“生きたことば”が書ける」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。