カルピス「やってみよう!「カルピス」でおうち祭」
カルピスは6月下旬から、看板商品「カルピス」(希釈タイプ)の夏季商戦に向け、「家族で楽しむ」をキーワードにしたキャンペーンを展開した。中でも大きいのが、4月に実施した、17年ぶりのパッケージ全面リニューアル。発売から93年目を迎えたロングセラー商品について、使用シーンを提案することで新たな顧客層の開拓を狙ったキャンペーンの成果を検証した。
キャンペーンの目的と実施施策
ターゲットは、3~15歳の子どもを持つ主婦。実需期のテレビCM放映と連動して、全国の店頭でレシピ提案をフックとしたフェアや大量陳列を実施。同時に、ブランドサイトや主婦向け雑誌のタイアップでもレシピを紹介。イベント協賛では、カルピスを使ったメニューの一部を無料で提供した。
調査対象期間は、6月18日から8月26日。パッケージリニューアル前の昨年同時期と比較した。実数ベースでは人数、売り上げとも昨年の旧品よりも4月にリニューアルした新品が大きく伸びている。年代別購入者人数構成比の伸び率でみると、伸びているのは、20代以下と50歳以上だった。また購入個数・金額における構成比では50代以上が伸びていた。今回のターゲットは若い主婦層であるが、親から子だけでなく、孫のための購入が多かったことも推測できる。
続いて、女性の年代別1人当たり購入について調査したところ、すべての年代で購入率が向上した。さらに、1人当たり購入個数、1回当たり購入個数は、20歳未満を除いてすべての年代で昨年を上回っており、複数本購入・まとめ買いが増加した。複数のフレーバーを購入したことも考えられる。最後に、購入者における累計のトライアル率とリピート率を旧品とリニューアル品にて比べたところ、いずれもリニューアル品が大きく伸長した。
このほか、リニューアルによって、旧品を買っていなかった人を大きく取り込んだことも分かっており、その割合が80%を超えたのが20~30代と70歳以上だった。
今回のパッケージリニューアルにて、すべての数値が大きく伸長。中でも、1人当たり購入個数・リピート率が伸びているのは、ロングセラー品の実力が今回のプロモーションで改めて確認されたからとも考えられる。
検証1:購入者構成比では20代以下と50代以上が特に増加
前期との購入者人数構成比では、20代以下と50代以上が伸びた。個数、金額での構成比では50代以上が伸びていた。
検証2:1回あたり購入個数は20代以上すべてで増加。複数種類をまとめ買いか?
1人当たり購入個数、1回あたり購入個数、いずれも20代以上の年代すべてで伸長した。
検証3:トライアル率・リピート率とも大幅アップ
リニューアルによって、購入者が増加しているだけでなく、その後のリピートにもつながっていることから、商品力の高さがうかがえる。
調査概要:(株)カスタマー・コミュニケーションズ(CCL)が保有する全国食品スーパーの顧客ID付POSデータを使用。食品スーパー150万人のデータから全国の購買を対象に分析した。来店客のポイントカードなどによって顧客識別を行い、一人ひとりの購買履歴を収集することで、より深い購買分析が可能となる。
【シリーズ 『TOP PROMOTIONのその後』】
- 「みんなで飲む」が伝わり1回当たり購入個数が伸びる〜販促会議9月号より
- 取扱店が大幅に増え10代~20代の購入も増加!日本コカ・コーラ~「Strike! Splash! Sprite!」キャンペーン~販促会議8月号より
- 若年層の購入増加率が目立って上昇 ノンシリコン以外から顧客を取り込む~販促会議7月号より