10月18日よりアド・ミュージアム東京にて「D&AD賞2012展」が開催される。
D&AD賞は、1962年に創設されたイギリスに本部を置くデザイナー、クリエイターによる非営利団体「D&AD(British Design & Art Direction)」が63年に創設した賞。あらゆる分野のデザインやクリエイティブを対象とし、次の時代を切り拓くような卓越したクリエイティブを顕彰する国際的な賞として、また審査の厳しい賞としても知られている。
本展では、最高賞であるブラック・ペンシルをはじめ、それに準じるイエロー・ペンシルおよび学生賞の受賞作、さらにはノミネーションから選りすぐりの作品が紹介される。
ブラック・ペンシル受賞作品「Rivers of Light」(制作・LOWE/SSP3)
2012年度のブラック・ペンシルは、9月に行われた創設50周年記念ガラでは発表された。受賞作品は、コロンビア防衛省の「Rivers of Light」(制作・LOWE/SSP3)。内戦下のコロンビアでクリスマスの時期に、大統領を始めて、多くの国民が参加した軍事作戦である。同省のラジオによる呼びかけに応じたゲリラの家族からの手紙、クリスマスメッセージや贈り物を光るカプセルに入れて密封し、ゲリラ基地の近くの川に浮かべた。集まったメッセージは6823通にもなり、そのメッセージと光がゲリラを家路へと誘い、ゲリラたちは家族との再会を果たした。審査員はこのキャンペーンは「ターゲットに望ましい行動を起こさせる」というダイレクトメールの本来の目的を見事に達成しており、これほど優れたDMは無いと称賛している。
なお、本年度の日本の受賞作品は以下の通り。
- ホンダ「Connecting Lifelines」(電通)
- ホンダ「Dots Now」(電通)
- 「100 Graphics of Anatomy Chart」(日本デザインセンター)
- NHK「2355」の番組ID「2355-ID」(ユーフラテス)
本展は11月18日までの開催となる。