宣伝会議賞1分アドバイス(29)石田文子さん「書くだけではなく“コピーを見る目”も養うべき」

9月1日からスタートした第50回宣伝会議賞。10月31日の締切が徐々に迫ってきています。

アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。

宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。

石田さん

本日は、電通の石田文子さんへのインタビューを紹介します。
石田さんは、第33回宣伝会議賞(1995年)で、見事グランプリを受賞した経験をお持ちです。受賞作品は、「家に帰ると、母が倒れていた。」。東京ガス「ガス温水床暖房システムNOOK」のコピーでした。最近の仕事には、日本レジストリサービス(JPRS)の企業CM「寝かせる男」が挙げられます。JPRSのCMは、こちらからも見られます。

――コピーが浮かぶのは、どんなシーンでしょうか?

石田さん 考えて考えて、何も出なくなった後のお風呂、または電車です。

――考えに考え尽くして、ふと頭をゆるめた時に、アイデアが浮かぶという方が多くいらっしゃるようですね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?

石田さん 紙とペンとパソコンです。

――石田さんは、第33回宣伝会議賞で、見事グランプリを受賞されました。当時のエピソードを聞かせてください。

石田さん 自分がいいと思っていたコピーは一次審査にも引っかかりませんでした。賞をいただいたものは、「え、あのコピーが?」という感じで…。書くだけじゃなく、“コピーを見る目”も養わないとマズイな、と思った覚えがあります。 

――“書いて終わり”ではなく、自分が書いたコピーの中から「本当に人に伝わるもの」「人の心を動かすもの」「世の中を変える力を持つもの」を選び取るところまでが、コピーライティングの本当のスキルと言えるかもしれません。最後に、今年で第50回を迎えた宣伝会議賞へのメッセージをいただけますか。

石田さん 50周年おめでとうございます。コピーだけで勝負できる数少ない賞。若い人がチャレンジできる“場”として、ずっと続いてほしいです。

――真に、言葉の力が試される、宣伝会議賞。応募締切まで、残り17日となりました。そろそろ「考えすぎて、疲れてしまった…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひこの「1分間アドバイス」も参考にしながら、最後まで全力で臨んでいただけたらと思います。

次回は、博報堂クリエイティブ・ヴォックスの神田祐介さんへのインタビューを紹介します。お楽しみに。

石田文子(電通/コピーライター、CMプランナー)
最近の仕事に、JPRS企業CM「寝かせる男」、明治企業CM「Life with MEIJI」、エクスペディア「エクスベアキャンペーン」、楽天スーパーSALE、JR青春18きっぷなど。宣伝会議賞金賞、TCC新人賞、広告電通賞、ACCジャーナリスト賞など受賞多数。「映画の天才」運営。著書に『小さなキミ』(小学館)。


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『宣伝会議賞』
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。
第50回 宣伝会議賞
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