アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、西鉄エージェンシーの占部邦枝さんへのインタビューを紹介します。
ファッションビル「ソラリアステージ」や水族館「マリンワールド 海の中道」、九州生乳販連など、地元密着の広告を多く手掛けている占部さん。最近の仕事としては、福岡県の「飲酒運転撲滅キャンペーン」があげられます。キャンペーンビジュアルはこちらでも見られます。
――コピーが浮かぶのは、どんなシーンでしょうか?
占部さん 歩いている時に考えつつ…最終的には自分のデスクで書いています。そして書いたものを一晩寝かせて(時間が許す限り)は、手直ししながら仕上げる感じです。
――やはり、一度書いたものを客観視する時間をつくることも大切なのですね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
占部さん パソコン、ミネラルウォーター、ペンです。
――占部さんは、宣伝会議賞での受賞経験もお持ちですね。当時のエピソードや、作品づくりのコツなどを聞かせてください。
占部さん 地方在住なので、メーカーや商品のコピーを仕事で手がけることは少ない。だから、宣伝会議賞でいろいろな課題に挑戦できるのが楽しかったなぁ。書きやすそうな課題よりも、ちょっと堅めだったり、一見とっつきにくそうな課題のほうがライバルも少なくて審査に残りやすいかも…とあえて選んでいました。おかげさまで、第35回(1997年)の銅賞を受賞することができました。
――なるほど!作品選びから工夫することで、受賞のチャンスを積極的につかみにいく。そうした戦略的な取り組み方も効果的と言えそうです。
次回は、アサツー ディ・ケイの野原ひとしさんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞での受賞経験もお持ちの野原さん。初めて贈賞式の壇上に立った時の思い出も伺いました。お楽しみに!
占部邦枝(西鉄エージェンシー/コピーライター、プランナー)
主な仕事に、ソラリアステージ、西部ガス、マリンワールド、九州生乳販連、西鉄グループ観光委員会などがある。福岡広告協会賞、FCC賞、TCC新人賞、TCC審査委員長賞、ACC賞、宣伝会議賞銅賞など受賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 神田祐介さん「信じて書き続ければ、奇跡は起こる」
- 石田文子さん「書くだけではなく“コピーを見る目”も養うべき」
- サトー克也さん「書いた人が感動できないコピーに、他人は感動できない」
- 篠原 誠さん「プロもみんな、格闘してコピーを生み出している」
- 岡田直也さん「コピーライターは、日本語のプロフェッショナルであるべき」
- 下東史明さん「コピーが浮かぶのは、サウナで汗を見つめる瞬間」
- 國武秀典さん「細かい部分にこだわりすぎず、潔く、新しい視点を発見する」
- 左俊幸さん「今は、コピーの『型』にとらわれず、好きに書くしかない」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。