宣伝会議賞1分アドバイス(33)西脇 淳さん「結局は、コピーが好きな人が残る」

9月1日からスタートした第50回宣伝会議賞。10月31日の締切が徐々に迫ってきています。

アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。

宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。

本日は、風トラの西脇 淳さんへのインタビューを紹介します。
宣伝会議賞に応募していた時代のエピソードも語っていただきました。最近の仕事としては、今年5月5日の朝日新聞全国版朝刊に掲載された「こども広告」があります。朝日新聞「こども広告」は、こちらでも見られます。

――コピーが浮かぶのは、どんなシーンでしょうか?

西脇さん 会社のデスクか、自宅の食卓かどちらかで、ただひたすら悶々と考え続けた挙句です。一人孤独に、地味に。「ひらめく」というカッコイイ感じとは、ほど遠いです。

―― コピーを書くということは、対象となる商品・サービスと向き合うのはもちろん、「孤独に、地味に」自分自身と向き合うことでもあるのかもしれませんね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?

西脇さん 紙とペンとMacです。

――西脇さんは、宣伝会議賞への応募経験もお持ちですね。当時のエピソードを聞かせてください。

西脇さん 一次審査通過者発表の、小さな文字の中から自分の名前を必死で探していました。すると、何度も名前が出る人が見えてくる。同世代のライバルですね。そんな人たちは、やっぱりその後、第一線で活躍しています。あきらめの悪い人、たくさん書ける人、結局はコピーが好きな人が残るんだと思います。

――応募者の皆さんも、過去の一次審査通過作品発表を見ていて、同じ名前が何度も出てくることに気づいたことがあるのではないでしょうか?そういう人たちは、確かに「あきらめの悪い人、たくさん書ける人、コピーが好きな人」なのかもしれません。そうしたまだ見ぬライバルたちの存在も、コピーを書く励みになりますね。最後に、コピーライターを目指す応募者の皆さんに、メッセージをいただけますか。

西脇さん コピーの枠組みを広げてください。50年間誰も見つけられなかった、新しいコピーを。

――「細かいテクニックにとらわれず、新しい切り口を」。審査員の皆さんから多く聞かれる言葉です。応募締切まで残り13日。もうコピーを書き終わった方も、最後の追い込みをかけている方も、ぜひ自分ならではの切り口を、もう一度探してみてはいかがでしょうか。

次回は、電通の山田尚武さんへのインタビューを紹介します。山田さんは、就職活動中に応募した作品で、見事、第26回(1988年)宣伝会議賞グランプリを受賞した経験をお持ちです。ご期待ください!

西脇 淳(風トラ/クリエイティブディレクター)
1970年生まれ。大広を経て、2007年「風とランディ」を設立。2011年、社名を「今日」に変更。2012年、社名を「風トラ」に変更、今に至る。主な仕事に、KIRIN FREE、プロアクティブ「部活」編、ウェルネスジャパン「メディカル社員」編、朝日新聞「こども広告」など。


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『宣伝会議賞』
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。
第50回 宣伝会議賞
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