mixiページは「ほのぼの」、LINEは初日に20万人が登録
――初音ミクはどういった経緯でキャンペーンを行われたのでしょうか。
高岡 もともとは初音ミクの商品が当たる「くじ」の展開をきっかけに、「みんなで育てていくアイドル」という初音ミクさんの世界観と、ファミリーマートのスローガンである「あなたと、コンビに、ファミリーマート」がマッチすることもあり、単発のキャンペーンではなく中長期にわたって取り組みをさせていただくかたちになりました。
今年8月には「はちゅねミク肉まん」など、オリジナル商品の発売や、ファミリーマートオリジナルの初音ミク景品を抽選でプレゼントしたりといったキャンペーンを実施したのですが、おかげさまで大変な人気で、ホームページのアクセスも急増しました。
ツイッターを使った商品の開発のように、現在はネットで情報を配信をして終わるのではなく、ネットと店舗が連動していくことを重視しているので、初音ミクの人気の曲の中からユーザー投票で選ばれた曲を、店舗で実際に放送したりという取り組みも積極的に行っています。
――スライム肉まんもネットで大変な人気でした。
高岡 おかげさまでツイッターやYahoo!の人気キーワードに3日前後「スライム肉まん」が入るくらい反響をいただきました。みんなで一緒に楽しんでいただけたことが、結果としてネットでの話題のひろがりにもつながっているのだと思います。ネットニュースなどでご覧になった方が店頭で実際に商品をお買い求めいただいて、さらに、SNSで写真や感想を書いていただく、そして、それをご覧になった方がお店に行ってといったかたちで広がっていくのは、コンビニならではの面白さですね。
――多くのソーシャルメディアを活用されていますが、それぞれ特徴はありますか。
飯干 人数だけで見るとLINEとフェイスブックが多いですね。ツイッターは興味や関心でつながっていきますし、フェイスブックは人をつなげていく特徴があるように思います。拡散した際にWebサイトへ誘導してくるのはツイッターが一番ですね。ツイッターのフォロー数は4万くらいで、フェイスブックは18万くらいのファンがいますが、反響があったときはツイッターのほうが強いです。ファミリーマートのファンになっていただいているお客さまはコンビニそのものが好きな方が多いので、自社商品にこだわらず話題の商品を紹介するとフェイスブックのほうが爆発的な反響があります。
一方でフェイスブックは文字数の制限がないので、伝えたい情報をしっかりとお伝えすることができます。ツイッターは文字制限があるので一度にお伝えできる情報量に限りがあります
また、フェイスブックなら「商品の果実が何パーセント」といった細かなキーポイントとなる情報を盛り込んだり、シズル的な言葉をちりばめたりと言うことがしやすいですね。写真で商品の良さを伝えることもできるといった魅力があります。
mixiページは「ほのぼのしている」という印象ですね。お店のスタッフも一緒になって、公式アカウントの情報に「この商品うちにもありますよ!」と書き込んでくれたりしています。
高岡 LINEはアカウントを開設したばかりですが、初日で約20万人の登録がありました。特に若い世代が強いですね。
ユーザー参加型企画に注力していく
――ソーシャルメディアの効果測定はどのようにお考えでしょうか。
飯干 ソーシャルメディアは、単なる情報発信にとどまらず、お客さまとの絆作りの深耕とさらなるブランド力の向上のためのツールと位置付けています。直接的な効果が必要な場合もありますが、継続的な関係の構築というところにも重きをおいています。
LINEやFamiポートを利用したクーポンの発行など直接購買につながる取り組みも展開しながら、お客さまとつながる場所として活用していきたいと考えています。
――今後考えられている施策などはありますか。
飯干 今年の8月に「日々野 優」というファミリーマートの公式キャラクターをたててファミリーマートを宣伝してもらっています。このキャラクターを活用してファミリーマートについてもっと知っていただきたいなと考えています。
飯干 お客さまに参加していただける企画も実施していきます。今は人気グルメサイト「食べログ」とコラボして、ベストレストラ 2011(東京)(大阪)それぞれで最も高い点数を獲得したイタリアンレストランのシェフにご提案いただいたレシピの中から、ユーザー投票で選ばれたレシピを商品化する新企画を実施し現在、販売中です(11月12日まで)。
また、フェイスブック、ツイッターからのアイデア投稿から選ばれたおむすびは、現在、11月13日の発売にむけて、商品を開発中です。
「mobage」でも、ロッテさん、ブルボンさん、不二家さんにご協力いただき、好きな味のお菓子を作る企画を実施したところ、合計で10万以上の投票をいただきました。こちらの投票結果で選ばれた味のお菓子は12月に発売予定です。
こうしたお客さまに参加いただく企画はこれからも実施していきます。みなさんのアイデアが本当に商品になる可能性があるので、ぜひ応募していただきたいなと思っています。
――インタビュー雑感
ソーシャルメディアをお客さまとつながる場所として考え、お客さま参加型の企画を多く展開するファミリーマートさんの取り組みは、ソーシャルメディアならではの面白い取り組みだと思いました。同時に、社内のソーシャルメディアに取り組む体制や、他の部署との連携がしっかりできているからこそ実現できる取り組みであると感じました。(アジャイルメディア・ネットワーク)
インタビュー担当 AMN 甲斐祐樹
次回(11月5日)はミニストップです。
高柳 慶太郎「ソーシャルメディア活用 先進企業に聞く」バックナンバー
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