アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、電通の蛭田瑞穂さんへのインタビューを紹介します。主な仕事には、アイドルグループ・嵐を起用した、キリンビール 淡麗グリーンラベルの「グリーンラベる?」などがあげられます。淡麗グリーンラベルの広告はこちらでも見られます。
——コピーが浮かぶのは、どんなシーンでしょうか?
蛭田さん 基本は会社のデスクで、ぼけっと考えています。あと、夜遅い時間のファミレスは集中できて好きです。PCもネットもないので。
——調べものができるという点でネットは便利ですが、コピーを書くことに集中したい時には、気が散ったり、誘惑になったりすることもありそうですね…!コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?
蛭田さん (1)PC(手書きで書いても最後はPCで清書するので)、(2)音楽(ほぼ音楽を聴きながらコピーを書いているので)、(3)息抜き(考えてばかりいると疲れるので)です。
——適度にリラックスできる環境を意識的につくることで、「グリーンラベる?」のような、自由でわくわくするようなアイデアが生み出されるのですね。それでは、いま、蛭田さんがコピーについて思うことを聞かせてください。
蛭田さん 宣伝会議賞とTCC年鑑が時を同じくして50周年を迎えるとは奇遇ですが、50年前、コピーに対する何か大きな気運の高まりがあったのだろうと想像します。50年前と比べて、コピーライターの役割はずいぶん変わったと思いますが、優れたコピーの重要さは依然変わらない。たぶん、絶対に。希望ではなく、本気でそう思っています。
—— 応募締切まで、残りちょうど一週間となりました。皆さん、自分が納得のいく作品づくりができているでしょうか。一週間「しか」ないようで、まだ一週間「も」あります。今、コピーに、コピーライターに求められていることとは何か。それを頭の片隅に置きながら、あともうひと踏ん張りしてみるのもいいかもしれません。
明日は、大広・生駒達也さん、I&S BBDO・尾形嘉寿さん、電通・松村祐治さんの
お三方からいただいたコメントをご紹介します!お楽しみに。
蛭田瑞穂(電通/コピーライター)
1971年生まれ。サン・アドを経て2007年から現職。主な仕事に、キリン淡麗グリーンラベル「グリーンラベる?」、東京ミッドタウン、グリコ乳業「ドロリッチ」、日本郵便年賀状キャンペーンなど。TCC新人賞、OCCグランプリなど受賞。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 古川雅之さん「10年後も『このコピーで賞をもらえてよかった』と思える作品を」
- 李 和淑さん「コピーに想いを寄せる人が、50年間ずっといる」
- 山田尚武さん「課題を恋愛相談だと想定すると、不思議と言葉が出てくる」
- 西脇淳さん「結局は、コピーが好きな人が残る」
- 野原ひとしさん「宣伝会議賞は、コピーライターが孤立無援で戦う唯一の場」
- 占部邦枝さん「あえて、とっつきにくそうな課題を選んだ」
- 神田祐介さん「信じて書き続ければ、奇跡は起こる」
- 石田文子さん「書くだけではなく“コピーを見る目”も養うべき」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。