アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。
宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。
本日は、3人の審査員の方からいただいたメッセージを紹介します。
まずは、大広の生駒達也さん。コピーを書く時のマストアイテムは「やる気」「負けん気」「執念深さ」という生駒さん。最近の仕事に、近畿6府県4政令市が実施する「児童虐待防止広報啓発」のテレビCM「影絵」編などがあります。生駒さんが思う、コピーライターという仕事について、コメントをいただきました。
「コピーライターは昔から、コピーのみならずコンセプトをつくることも多かったと思います。今ではそれが、コミュニケーション全体を動かす旗印(となるようなキーワード)をつくる仕事だったりもします。『コピーを書くだけ』みたいな捉え方だと消えそうな職業だけど、実は世の中を動かす『魔法の呪文』を考える仕事なんですよね」
生駒達也(大広シニアクリエイティブディレクター)
1968年生まれ。主な仕事にNTT西日本、積水ハウス、近畿日本鉄道ほか。ACC賞、TCC新人賞、毎日広告デザイン賞グランプリ、NYフェスティバル
2人目は、I&S BBDOの尾形嘉寿さん。現在は基本的に、自らコピーを書くことはないそうですが、以前は風呂あがりの30分が、コピーを考える“マジックタイム”だったそうです。マストアイテムは、PCと、「もりもり山のくだもの飴」(カンロ)だそうです…!今回は、コピー上達のためのヒントをいただきました。
「コピーは数学だと思うので、数学を好きになると、上手くいくと思います」
尾形嘉寿(I&S BBDO)
1965年生まれ。ACC金賞、福岡広告協会賞、2001年クリエイター・オブ・ザ・イヤー 特別賞、2006年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリストなど受賞多数。
そして本日最後、3人目は、電通の松村祐治さんです。へーベルハウス(旭化成ホームズ)やサントリーをはじめ、さまざまテレビCMを手掛けるほか、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやPUFFYなど、アーティストのプロモーションビデオも手掛ける松村さん。コピーを書く時には、「uni-ballのペン、moleskineのパクリ風のノート、MacBook Air」がマストアイテムとのことです。応募者の皆さんへのメッセージをいただきました。
「今後も広告のカタチはさらにどんどん変化していくムードですが、コピーが強いほうがもろもろ強いってとこは、どうやら変わらない模様です。おもしろいですね。皆さま、がんばってください」
松村祐治(電通/CMプランナー)
主な仕事にへーベルハウス、サントリー、ユニクロ、JT、銀のさら、SONY、コンタック、大阪ガス、楽天、NOVAうさぎ、テレビ番組「喝老人」「ど人生」、PUFFY「アジアの純真~ Ami Yumi Emi ver.」PV、ASIAN KUNG-FU GENERATION「君の街まで」PVなど。受賞多数。
次回は、電通・忽那治郎さん、博報堂・佐々木洋一さん、博報堂・松田正志さんの
お三方のコメントを紹介します。お楽しみに。
【宣伝会議賞1分アドバイス バックナンバー】
- 蛭田瑞穂さん「50年前も今も、優れたコピーの重要さは変わらない」
- 古川雅之さん「10年後も『このコピーで賞をもらえてよかった』と思える作品を」
- 李 和淑さん「コピーに想いを寄せる人が、50年間ずっといる」
- 山田尚武さん「課題を恋愛相談だと想定すると、不思議と言葉が出てくる」
- 西脇淳さん「結局は、コピーが好きな人が残る」
- 野原ひとしさん「宣伝会議賞は、コピーライターが孤立無援で戦う唯一の場」
- 占部邦枝さん「あえて、とっつきにくそうな課題を選んだ」
- 神田祐介さん「信じて書き続ければ、奇跡は起こる」
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。