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9月、コピーを書くペンがまったく進まず
煮詰まっています。煮詰まっています。他の参加者の皆さんの意気込みとか気合に圧倒されながらオロオロしている私です。皆さん気合が違う。提出本数が1000って…。
こういう公募の課題ってどうしてもライバルや仲間が見えなくて、ただひとりで孤独に耐えながらやっているイメージがあるのですが、このブログ企画のおかげでお尻を叩かれたり、自分のコピーへの想いを改めて思い返せるいい場になっているな、としみじみ感じています。宣伝会議様、ありがとうございます。
「こうなったら私も1000本…!!」と言いたいところですが、9月はまったくもって課題に取り組むのに集中できない月でした…。
9月。コピーを書くペンがまったく進まず。私はただひたすら、「働くことってなんだろう」「コピーライターを職業にするってなんだろう」、そんなことに思いを巡らせていました。なので、“コピーライターになる旅”というのに参加してきました。「見たことない仕事、見に行こう」というコピーがついている、仕事旅行社というところが開催しているコピーライターになる旅(“仕事旅行社”で是非検索を)。週末土日の2日間で実際にコピーライターさんの事務所に行き、1日目は仕事概要などの説明を受けた後で、課題となる商品を見て、クライアントさんのところに実際にヒアリング。2日目はコピーを参加者同士見せ合って、実際にデザイナーの方にデザインに落としこんでもらいヴィジュアル化させ、アドバイスを受けるというものです。
大船の広くて青い空と観音様に見守られた小さな事務所に、素敵なコピーライターさんと、自分のようなコピーに想いをはせている参加者が2人。とてもとても、いい経験になりました。
が、この2日間で私はさらに自分の才能の無さに打ちのめされました。書いても書いても、考えても考えても、「うーん、普通だね」としか言われない。元来、性格が素直で、見たまんまのことしか言わないような子だったので、しかも英語も中国語でも語彙力がなく、細かなニュアンスまで表現することをしてこなかったので、出てくるコトバをただ紙に落とし込んだら、あら普通。みんなが思うような感情しか出てこない自分の頭に涙する瞬間でした。
締切までに3桁を目指す
“コピーライターになる旅”で出会った観音様。こういう場所だから自分から出た自然なコトバって浮かんでくるのでしょうか。いいとこでした。
でも感動したこともあって。
自分の書いたコピーがデザイナーさんの考えたデザインの上に載ると、なんかそれっぽくなってしまうんですよね。それが誰かに見られて、誰かの心を動かして、一生残っていく。これがコピーライターのやりがいなのかな、と思いました。素敵でした。
「このコトバから、深掘りして、もっとコピーの技法を使ってつくるんですよ」。そう言われた私は、10月からのコピーライター養成講座の申し込みをしました。…すっかりコピーの虜です。
コピーの全体像しかさらえてない9月の私。旅が終わった後に、図書館で、仲畑貴志さんが書いたコピー集を借り、谷山雅計さんが書いた「広告コピーってこう書くんだ! 読本」を購入し、外堀から埋める作戦にでました。
10月末には3桁は出せたらいいなぁ…。じっくり熟成させたコピーをぶつけていければと思います。
コピーライターへの想いを現実のもとするために、あとはやるしかないです。紙とペンと、自分と。三つ巴の戦い。素直に、自分のできない部分を認めて、向き合って、最後までやりきります。
がんばりましょう。
11月中旬より、応募後の所感をつづったシリーズをお届けします。挑戦者16人のプロフィールはこちらから。
【宣伝会議賞チャレンジ宣言 呉文恵さんバックナンバー】
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。