山口県は9日、12月13日に岩国錦帯橋空港が開港するのを契機として、新たな観光キャンペーンをスタートした。
「岩国錦帯橋空港!やまぐち往還観光キャンペーン」と銘打ったキャンペーンの軸となるのは、「全国で初めて、山口県が観光部門を民営化した」という設定で設立された架空の組織「株式会社おいでませ山口県」。社員は全県民143万1294人で、特設サイトで観光情報を発信したり、山口県を訪れる観光客を「株主」として優待プランを提供することをはじめ、さまざまな特別企画を展開する予定だ。
社内は、「食べちょる課」「泊まっちょる課」「楽しんじょる課」の3課に分かれている設定で、特別企画はそれぞれ「味」「泊」「楽」という3つのテーマにあわせて展開する。企画の一例としては、岩国市の地酒を飲み比べる「利き酒セット」を岩国国際観光ホテルで特別価格で提供したり、県内6つの温泉地「湯田温泉」「長門湯本温泉」「俵山温泉」「萩温泉郷」「川棚温泉」「湯野温泉」における各入浴施設を割引するなどが挙げられる。「山口県というと、食べ物では『ふぐ』、都市では『萩』など、画一的なイメージを持たれがち。ほかにもさまざまな特産物や見どころがあることを紹介することで、観光地としての山口県の魅力を、首都圏をはじめとする日本全国に今一度発信できれば」(山口県地域振興部 観光交流局 観光振興課)。
取り組みの第一弾として、「株式会社おいでませ山口県」設立を記念した「株主様ご優待券」を限定で5万枚発行し、12月13日から岩国錦帯橋空港や東京・日本橋の山口県アンテナショップ「おいでませ山口館」などで配布する。県内の宿泊施設や飲食店などで特別サービスが受けられるパスポート型クーポンブックで、優待企画としては、日本三名橋「錦帯橋」の無料通行などが予定されている。
「株式会社おいでませ山口県」の初代社長には、人気漫画『島耕作シリーズ』の主人公で、山口県岩国市の出身の島耕作が就任している。山口県にゆかりのある有力コンテンツを起用することで、話題を喚起・拡散したい考えだ。
担当広告会社は博報堂。キャンペーン期間は、来年の5月31日まで。