博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所は11日、スマートフォン、タブレットといったスマートデバイスの急速な普及により台頭し始めている新しい生活者像を、「スマート・マス」と名付けたと発表した。
スマートフォンは、昨年まではデジタル機器を使いこなす20~30代や、就職を控えた学生などを中心に普及してきた。しかし2012年に入り、10代を中心に、主婦層・高齢層と幅広い年代にも急速に普及し始めている。
こうした普及状況を背景に、同社が調査を進めると、従来考えられていたのとは異なるスマートフォンユーザー像や、サービス利用実態が浮かび上がったという。
スマートフォンの購入時期が新しいユーザーは、購入時期が古いユーザーと比較して、利用する有料アプリの数が少なく、ビジネス向けアプリよりも娯楽・コミュニケーション系アプリの利用率のほうが高いということが分かった。今後もスマートデバイスの普及が予測される中で、より一層、生活シーンに密着した気軽なコミュニケーションやサービスが支持され、浸透していくと考えられる。また、高機能化が進むスマートフォンを「使いこなせない」と感じるユーザーも増加しつつあるという。
さらに同社は、この「スマート・マス」の台頭によって生まれる8つの新しい生活シーンを「新・スマート八景」として、あわせて発表した。「新・スマート八景」は以下の通り。
(1)楽・・・コンテンツに引き寄せられる生活者
(2)視・・・ビジュアルで簡単にコミュニケーション
(3)場・・・どこでも売り場、買い場になる
(4)直・・・浸透するCtoC直接取引
(5)定・・・定額制のメディア・サービス
(6)伴・・・いつでもどこでもコンテンツと
(7)公・・・医療・教育分野のスマート化
(8)裏・・・サービスそのものの見えない化
同社は、「今後のサービス開発においては、生活に根ざした利便性の高い身近なコンテンツや、娯楽性を有するコンテンツの開発が鍵となる」としている。