東京証券取引所(東証)は20日、国内の全上場企業 約2300社の中から、優れた企業価値向上経営を実践している企業を表彰する「上場会社企業価値向上表彰」の表彰企業を発表した。
大賞にはユナイテッドアローズ、優秀賞にはエーザイ、HOYA、丸紅、三菱商事の4社が選出された。
「上場会社企業価値向上表彰」は、市場開設者としての立場から東証が望ましいと考える「企業価値向上を目指す経営」の普及・促進を図ることを目的に、本年創設されたもの。
表彰企業の選定は、一橋大学大学院商学研究科教授・伊藤邦雄氏が座長を務める「上場会社表彰選定委員会」によって行われ、選定にあたっては次の3つの観点を重視した。
- 経営戦略及び事業戦略について:経営目標に企業価値向上を図る視点が含まれているか/経営目標を達成するための事業戦略や事業体制を構築し、その体制が機能しているか/企業価値向上の取り組みが社内に浸透しているか
- 財務戦略について:株主還元を含む財務戦略に、企業価値の増加を図る観点が組み込まれているか
- 企業価値向上の取組みとその成果:1,2 を含む企業価値向上の取り組みの成果として、実際の投資者価値(株式の価値)が増加していると認められるか
表彰された5社は、2012年10月に「ファイナリスト」として選出されており、その後の選考によって大賞と優秀賞がそれぞれ授与されることになった。
特にユナイテッドアローズは、
(1)企業価値向上に向けた取り組みが株式市場において投資者に高く評価されている点、
(2)企業価値向上に向けた業務執行体制の確立に独自の創意工夫が認められる点
が評価されたことから大賞に選出された。
受賞についてユナイテッドアローズは、「『世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観の創造』という経営理念と、経営理念体系の中の一つ『社会との約束』に掲げる『株主様価値の創造』に基づく、日頃の愚直な経営・営業活動の推進の結果であります。この栄誉に甘んじることなく、他の上場会社の皆様の模範となり目標とされる存在であり続けられるよう、引き続きまい進し続ける所存です」とコメントしている。