竹田芳幸(POOL inc. コピーライター・プロデューサー/宣伝会議コピーライター養成講座 総合コース、上級コース、専門コース谷山・井村・吉岡・照井クラス、小西クラス修了)
フリーの仕事とシブヤ大学
第2回にして“ありがとう”というテーマもフォーマットも変えました。ご容赦下さい。
さて、コピーライターになった僕ですが、皆さんが知りたいのは「どうやって仕事をとってくるのか」ではないでしょうか。
それは、一言で言えば人のつながりです。もっと言えば、シブヤ大学のつながりです。
ここで、シブヤ大学について少し説明します。
シブヤ大学は、毎月第3土曜日に渋谷区内の色々な場所で、無料の講座を行っている生涯学習のNPO法人です。僕は2006年の立ち上げ当初から、このシブヤ大学を趣味でお手伝いしていました。授業当日の会場準備や受付、レポートの作成、飲み会の企画、そして授業の企画。社会人生活のほとんどを、僕はシブヤ大学を趣味として過ごしてきました。
このシブヤ大学を運営しているメンバーには、広告代理店やデザイン会社、編集プロダクションなどクリエイティブ系の職種の人が多く、フリーになった僕に、仕事を紹介してくれたのは、この人達でした。
授業風景。シブヤが、まるごとキャンパスです。
はじめての、お仕事。
名刺を作った僕が、コピーライターとして最初にやらせてもらった仕事は、帽子のセレクトショップのWebサイト。デザイナーさんのインタビュー原稿を書きました。
テープレコーダーを持って取材に行き、よくわからないながら質問をし、相槌を打ち、要点をメモしていく。合っているかどうかはわからないけど、教えてくれる人もいないので、たぶん正解だろうということをやっていました。
フリーの仕事をはじめて難しかったのは、新人と思われないこと。先方からしたら、経験豊富な人が来てくれた方がいいに決まってます。そこに行ったら、さも経験者のように振る舞う。インタビュー、コピー提案、ページ構成、つどつどやってくるわからないことに対して、その繰り返しでした。もちろんアウトプットのクオリティも、「はじめてなんで」では許されないので必死です。
1つ仕事をすると経験が増え、ポートフォリオも増えていきます。するとまた新しい仕事を頼まれ、新しい経験が蓄積されます。
その後、広報誌のライティングや、採用パンフ、Webサイトのリニューアルなど様々な仕事をさせていただきました。
入ってくるお金は、もちろん少なかったけれど今へとつながる礎を築くことができた大切な1年でした。
帽子セレクトショップのWebサイト記事。今日もここの帽子をかぶってコラムを書いています。
竹田芳幸(たけだ・よしゆき)
POOL inc. コピーライター/プロデューサー。1983年1月生まれ。静岡県焼津市出身。法政大学経済学部卒業。京王エージェンシー、goen°、浪漫堂を経て2012年POOL inc.入社。NPO法人シブヤ大学 授業コーディネーター。POOL inc.のfacebookも担当しています。
宣伝会議コピーライター養成講座 総合コース、上級コース、専門コース(谷山・井村・吉岡・照井クラス)、専門コース(小西クラス)。
バックナンバー
「コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常」バックナンバー
- 2013年1月 平野慎也「25歳、新人コピーライターのリアル。」
- 2012年12月 室山加奈子「Webディレクター、コピーを学ぶ」
- 2012年11月 小野勇樹「いちデザイナーが感じる、言葉の大切さ。」
- 2012年10月 貝洲岳洋「(極私的)広告セレンディピティ(1)」
- 2012年9月 林潤一郎「よく考えない。」
- 2012年8月 小林麻衣子「女子力」より「おっさん力」
- 2012年7月 杉山元規「悩める29歳(1)」
- 2012年6月 栗栖周輔「学歴なし、職歴なしで広告業界に入るには」
- 2012年5月 永友鎬載「僕の失敗(1)」
- 2012年4月 大津健一「幸運の女神は最終講義で微笑んだ」
- 2012年3月 大重絵里「考え続けられる人が、輝いている」
- 2012年2月 山川力也「コピー」じゃなくて、「いいコピー」を書くために。
『コピーライター養成講座』
講師は一流のコピーライターが直接指導 プロを育てる実践型カリキュラム
いまでも多くの有名クリエイターを輩出している本講座。幾度かの改変を経て、内容を一新。コピーやCMといった、広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。