はじめまして。ニルセン坂本舞です。
あなたは、世界で一番幸せな国がどこかご存知ですか?
それは、日本から飛行機で約10時間、北欧にある小さな国デンマークです(注)。アンデルセンの童話、人魚姫やみにくいアヒルの子の故郷であり、また世界的に評判の高い北欧デザインの家具の国であるだけでなく、25%の消費税などを特徴とする世界有数の福祉国家でもあります。
デンマーク人の父親と日本人の母親をもつ私は、日本で生まれ日本人として育ちました。小学校時代は無邪気で幸せな子供だった私ですが、中学に入学すると、勉強はへっちゃらだったものの、日本では当たり前とされている様々な慣習が無意味に感じられ、頭が痛くなってしまいました。それは、生徒の個性を押し殺す数々の校則やそれを生徒に守らせるので精一杯な教師の姿、また古風な授業やテストの方法といったものです。
そしてある年、デンマークを訪れた際に体験入学した現地の中学校と私が通っていいた公立中学校の間の、あまりにも大きなギャップを目当たりにしてしまい、悩みながら毎日を過ごすはめに。そんな、小娘ながら日本の学校システムに強く疑問を感じた私は、結局中学を卒業するとともにデンマークに行くことを決意し、デンマーク語もままならないまま、15歳で単身6万キロメートル以上離れた父の母国に渡りました。
最初は、3カ月の約束でデンマークにいる予定だったのですが、3日もするともう日本には戻らないことを決心、結局デンマークで高校に進学しました。それからもう3年半、19歳になった私は今現在、首都コペンハーゲンにあるインターナショナルスクールに通い、日々30カ国以上の国籍のクラスメートに囲まれて、平日は勉学に励みながら、週末はパーティーなどで遊び尽くすという暮らしをしています。
さて、そんなデンマークの若者の生活に確実に欠かせないソーシャルネットワークはなんといってもフェイスブック。デンマークのフェイスブック普及率は実は世界的にもトップレベル。私の周りでは、クラスの連絡事項にはじまりバイトのシフトの管理などにもフェイスブックが大事なツールの役割を果たしています。課題の提出日が近づくと、フェイスブック上で私のクラス専用のページで「仮説を語るときにはどの理論を使うか」「授業で使ったデータに間違いがあるのではないか」などやりとりが交わされます。
「無難な毎日より波瀾万丈でも記憶に残るような毎日を過ごす」という信条のもと暮らす私の個人的なお気に入りのフェイスブック活用方法は、コペンハーゲン各地で開かれる様々なイベントやコンサート、フリーマーケットなどの情報収集。週末になるとどこでホットなパーティーが開かれているか必ずチェックするなど、フェイスブックなしの充実した生活というのはちょっと考えられません。
そんなフェイスブックを活用して体験したイベントなども含めて、このコラムでは今後、この世界一幸せな国デンマークとは一体どんな国なのか、ここで暮らす若者のライフスタイルや流行に焦点を当てて現地発送のフレッシュな情報を紹介していきたいと思っています。どうぞお楽しみに!
(注)2005年~11年に実施されたギャラップ社調査をもとに計算した「世界幸福リポート」(ジェフリー・サックス米コロンビア大学地球研究所長ら編集、2012年)で、デンマークは世界1位。2位以下はフィンランド、ノルウェー、オランダ、カナダの順。日本は44位(編集部)