竹田芳幸(POOL inc. コピーライター・プロデューサー/宣伝会議コピーライター養成講座 総合コース、上級コース、専門コース谷山・井村・吉岡・照井クラス、小西クラス修了)
いいコピーライターになる。
コピーライターを目指した7年前からこれまでに、僕は宣伝会議の講座に5つも通いました。(優良顧客です)
その中でも、一番濃く、印象に残っているのが専門コースの谷山・井村・吉岡・照井クラス。
当時の僕は、フリーランス時代に一緒に仕事をしていた会社に入社し、会社員コピーライターになったばかり。その中で実力不足をひしひしと感じていました。
そこで、「かなりキツいよ」と評判だった、このクラスで自分の実力を伸ばしたいと、受講を決意したのです。
最初に言われた、この講座の目的は「いいコピーライター」になること。僕自身も、コピーライターになるという目標で通っていたこれまでの講座とは違い、上のレベルを目指したかったので思惑は一致していました。
この講座、特に谷山さんの回は提出本数無制限。時には100本以上の提出義務。さらに成績順席配置と有名進学塾みたいな授業でした。
その中で、僕が人よりやってやろうと思っていたのは数をたくさん出すということ。コラムの1話で書いた宣伝会議賞1700本応募のかいもあって、たくさん書く(散らかす)ことは得意でした(実は翌年の宣伝会議賞は4000本出してます 笑)。
しかし、クラスの中での僕の成績は、授業を重ねるごとに右肩下がり。みんなの成長に数だけではついていけませんでした。
卒業制作のプレゼンも惨敗。悔しくて、悔しすぎて、打ち上げを途中で抜けて、またコピーを書きました。それくらい悔しいと思える濃い時間、濃い授業、濃い仲間達でした。
実は、そんな卒業制作の悔しさから生まれた仕事があります。
僕らの卒業制作の課題は、東急ハンズのクリスマスポスター。僕は用意していた企画A、BのうちAをプレゼンし惨敗しました。
そして、プレゼンから1週間後、僕はこの時出さなかったBの企画を、別のクライアントに自主プレしました。営業をやっていた時代の知り合いをたどって提案したところ、先方がおもしろがってくれて、クリスマス時期に店舗に掲出させてもらうことができました。さらに、その好評からバレンタインのクリエイティブも依頼され、こちらも形にすることができました。
僕の企画は、みんなより優れていたわけではありません。それでも、形になったのは、営業時代・フリー時代に培った、ネットワークと提案するチカラなんだと思います。コピーライターとしてのスタートは遅かったけれど、それまでの経験も全て無駄じゃなかったということを実感できたエピソードです。
余談
余談ですが、僕にはこのクラスを一緒に受講した2人の友人がいました。
コピーライターを目指し始めたころに、別の講座で出会った2人です。
1人は、ものすごくコピーが上手くて、僕が目標にしている人。もう1人は面倒見が良くて、広告やコピーについて色々教えてくれた人。
僕より少し早くコピーライターになったこの2人の先輩がいなければ、コピーライターになることを途中であきらめていたかもしれないくらい大切な存在です。
いろんな講座に通ってみて思うことは、講座で得た知識や、書いたコピーは財産ですが、それ以上の財産は同世代の仲間だということです。
時に励まし合い、時に嫉妬するような仲間がいるから、僕は今日もコピーを書いているのだと思います。
【修正履歴】
2013/03/18 本文の一部に脱字がございましたので、修正致しました。
竹田芳幸(たけだ・よしゆき)
POOL inc. コピーライター/プロデューサー。1983年1月生まれ。静岡県焼津市出身。法政大学経済学部卒業。京王エージェンシー、goen°、浪漫堂を経て2012年POOL inc.入社。NPO法人シブヤ大学 授業コーディネーター。POOL inc.のfacebookも担当しています。
宣伝会議コピーライター養成講座 総合コース、上級コース、専門コース(谷山・井村・吉岡・照井クラス)、専門コース(小西クラス)。
バックナンバー
「コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常」バックナンバー
- 2013年1月 平野慎也「25歳、新人コピーライターのリアル。」
- 2012年12月 室山加奈子「Webディレクター、コピーを学ぶ」
- 2012年11月 小野勇樹「いちデザイナーが感じる、言葉の大切さ。」
- 2012年10月 貝洲岳洋「(極私的)広告セレンディピティ(1)」
- 2012年9月 林潤一郎「よく考えない。」
- 2012年8月 小林麻衣子「女子力」より「おっさん力」
- 2012年7月 杉山元規「悩める29歳(1)」
- 2012年6月 栗栖周輔「学歴なし、職歴なしで広告業界に入るには」
- 2012年5月 永友鎬載「僕の失敗(1)」
- 2012年4月 大津健一「幸運の女神は最終講義で微笑んだ」
- 2012年3月 大重絵里「考え続けられる人が、輝いている」
- 2012年2月 山川力也「コピー」じゃなくて、「いいコピー」を書くために。
『コピーライター養成講座』
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