電通は26日、2012年7月12日に公表した英国の大手広告会社・イージスグループ(イージス社)の買収手続きが3月26日に完了し、イージス社を完全子会社化したと発表した。買収総額は約4090億円。イージス社を迎え入れた電通グループは、全世界で約3万6000人の従業員を擁し、110カ国・300拠点以上で事業展開するグローバル・コミュニケーション・グループとなる。
これにあわせ、電通は同日付で、新たなグローバル体制でさらなる成長を目指すため、イージス社を改組し、新たな海外本社として「電通イージス・ネットワーク社(Dentsu Aegis Network Ltd.)」をロンドンに発足させた。電通イージス・ネットワーク社は今後、電通グループの海外事業運営を統括する海外本社としての機能を担う。
電通イージス・ネットワーク社のコーポレート・スローガンは“The First Truly Global Communications Network for the Digital Age”(デジタル時代で初めてとなる真のグローバル・コミュニケーション・ネットワーク)。
取締役会は、電通およびイージス社の主要幹部10人で構成する。取締役会議長には、電通常務執行役員兼電通ネットワークCEOのティム・アンドレー氏が、取締役会副議長には、電通取締役執行役員兼電通ネットワーク副社長の松島訓弘氏が就任し、取締役CEOは、イージス・メディア(※注)CEOのジェリー・ブルマン氏が兼任する。ほか、取締役としては、電通側から石井直氏(電通 代表取締役社長執行役員)、中本祥一氏(電通 取締役専務執行役員)、ニコラス・レイ氏(電通ネットワークCFO)の3人が、イージス側からニック・プライデイ氏(イージス・メディアCFO)、ナイジェル・モリス氏(イージス・メディア米州CEO兼EMEA CEO)、ニック・ウォータース氏(イージス・メディア アジア太平洋CEO)、バレリー・スコーラー氏(イージス・メディア人事担当責任者)の4人が参加する。
電通グループは今後、日本国内の事業グループ各社と、海外事業運営を統括する電通イージス・ネットワーク社傘下のグループ各社が協働し、既存サービスの共有や統合、新たなサービスの開発・提供、共同提案の機会づくりなどを積極的に推進していきたい考え。
なお、グループ連結決算への反映は、連結貸借対照表については2013年3月期末から、連結損益計算書については2014年3月期第1四半期決算から行う予定。また今後、資本市場における国際的な比較可能性を高めるため、2015年3月期(年度末決算)を目途に、IFRSの任意適用を検討していく。
※注
これまでイージス社傘下にあった「イージス・メディア社」は、今回の買収に伴い、会社形態をとらない“組織”へと変更、イージス全体のグローバル事業を統括する組織「イージス・メディア」となる。
電通の海外事業統括組織である「電通ネットワーク」と、新組織「イージス・メディア」は、電通イージス・ネットワーク社の管轄下に置かれ、電通イージス・ネットワーク社の経営陣および取締役会の下、それぞれに事業運営を行っていく。