グーグルは28日、地図検索サービス「Googleマップ」上で、東日本大震災の被災地である福島県浪江町内のストリートビューを公開した。
浪江町は、福島第一原子力発電所から20キロ圏内にあたる「警戒区域」および「計画的避難区域」に指定されており、震災から2年が経過した現在でも、自由に立ち入ることができない。
今回のストリートビューの撮影・公開は、浪江町の依頼により実現。撮影は今月4日から約2週間をかけて行われ、主に海岸から市街地にかけての「警戒区域」にあたる地域を撮影した。ストリートビューは、「Googleマップ」、「Google Earth」および「未来へのキオク」で見ることができる。
「未来へのキオク」は、グーグルの写真・動画共有サービス「Picasa」「ユーチューブ」を使ってアップロードされた、被災地の被災前の風景や現在の様子、復興の様子などの写真・動画を公開しているサイト。震災3カ月後の2011年6月28日に開設された。
ストリートビューの公開に際して、浪江町の馬場有町長は、「多くの町民から、ふるさとの状況を見たいという声があります。また、世界的にも原発事故の悲惨な状況を映像で見たいという方がたくさんいらっしゃると思います。グーグルの協力で、今回ストリートビューで町のありのままの姿を多くの町民の皆さまにお知らせできること、世界に発信できるということをとても、嬉しく思っています」、「ストリートビューによる発信が、未来の世代にも、東日本大震災と原子力災害が引き起こしたありのままの姿を伝えてくれることを願っています」とコメントを寄せている。