3月17日から19日までの3日間、タイのパタヤで第16回「アジア太平洋広告祭(アドフェスト2013)」が開催され、各部門の受賞作が決定した。
今年のアドフェストは、アジア太平洋地区及び中東より3507作品のエントリーがあり、世界各国から1146名が参加。新たにモバイル部門およびクリエイティブ・エフェクティブネス部門が設置され、全17部門で競われた。
今年はオーストラリアがフィルム部門、プレス部門、インタラクティブ部門、プロモ部門の4部門でグランデを受賞。また、Agency of the YearにはインドのTaproot India(電通グループ)が輝くなど、受賞数でオーストラリアとインドが際立った強さを見せた。
日本はアウトドア部門とデザイン部門の2部門でグランデを受賞。デザイン部門では計14個のロータスを、インタラクティブ部門で計9個のロータスを獲得。また、博報堂が2年連続インタラクティブエージェンシ・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、例年通り、デザインおよびインタラクティブ部門で受賞数を伸ばした。
博報堂インドネシアがプレス部門でゴールドを、電通タイランドがインタラクティブでシルバーを受賞するなど、日系エージェンシーも台頭。グループ全体では、電通グループが計37点、博報堂グループが計22点のロータスを獲得した。
グランデ(最優秀賞)受賞作品
フィルム部門のグランデはオーストラリア メルボルン鉄道の「Dumb Ways to Die(ばかげた死に方)」。若者に鉄道付近での行為の危険性を伝える目的で制作された、かわいらしくシュールなアニメーション映像で、制作はマッキャンオーストラリア。
「360 Lotus」から名称を変更したインテグレート部門およびプロモ部門では、シドニーの自動車保険会社が、競合の保険会社が”保険対象外”にしているパーツを寄せ集めて車を制作した「Car Creation」(Whybin TBWA Group)がグランデを受賞した。
アジア発のクリエーティビティと多様性を持った作品に与えられるロータス・ルーツ部門では、インド ムンバイの新聞「Mumbai Mirror」のCM「I am Mumbai」がグランデを受賞。いまムンバイで起きている問題を市民たちが口々に叫ぶ社会派CMで、昨年よりカンヌライオンズはじめ他の広告賞でも受賞を重ねている。
日本は2点グランデを受賞。太陽光エネルギーを使って富士山頂から金環日食を生中継を試みたパナソニックの「ECLIPSE LIVE FROM FUJIYAMA」(http://panasonic.net/eclipselive/)(電通)が、アウトドア部門で、また、ロンドンで開催された、俳句を知ってもらうための展覧会「Haiku & Art Exhibition 2012」のためのデザイン「Catch the moon, Catch the blossom」(電通)がデザイン部門で受賞した。
日本の受賞作品
そのほか、各部門の日本からの受賞作は以下の通り。
◆フィルム部門
ブロンズ
ソニー Make.believe「Screen Story」/PARTY
南陽「朝・忘れもの篇」、「昼・ちゃぶ台にて篇」、「夜・風呂篇」/博報堂
JPRS「MAY CAUSE DROWSINESS」/パラダイス・カフェ
大脱走 THE GRATE ESCAPE「Escaping Japanese」/電通
◆アウトドア部門
グランデ
パナソニック「ECLIPSE LIVE FROM FUJIYAMA」/電通
シルバー
ユナイテッドアローズ「恋するマリオネット」/TBWA\HAKUHODO
ブロンズ
大阪カンヴァス「GREEN to CLEAN」/電通
ホンダ「フェイスブーン!」/電通
サントリー ウイスキー「並んだボトルの数だけ、幸せな乾杯があります。」/電通
◆インタラクティブ部門
ゴールド
UNICORN X 宇宙兄弟「Feel So Moon」/PARTY
シルバー
講談社「ソーシャルキングダム」/博報堂
インテル「REGAME」/PARTY
ブロンズ
富士フイルム「WORLD PHOTO RELAY 」/FUTONE INC.
日産自動車「NOTEスクロールブック」/TBWA\HAKUHODO
ドミノ・ピザ「世界最短のタイムセール」/博報堂
グーグル「Google Maps 8-bit 」/博報堂
ナイキ「NIKE SHOE BOXXXX」/ビーコン コミュニケーションズ
グーグル「リモートロマンス」/博報堂
◆モバイル部門
シルバー
ナイキ・ベースボール「9 Heroes 」/ビーコン コミュニケーションズ
ブロンズ
インターナビ「dots map」/電通
グーグル「みらいサーチ」/博報堂
東京新聞「HARE THE NEWS PAPER WITH CHILDREN」/電通
◆プロモ部門
ブロンズ
パナソニック「ECLIPSE LIVE FROM FUJIYAMA」/電通
UNICORN X 宇宙兄弟「Feel So Moon」/PARTY
◆デザイン部門
グランデ
東京倶楽部 Haiku and Art Exhibition in LONDON「CATCH THE MOON, CATCH THE BLOSSOM」/電通
ゴールド
東京倶楽部 Haiku and Art Exhibition in LONDON「CATCH THE MOON, CATCH THE BLOSSOM」/電通
グーグル「google Maps 8-bit 」/博報堂
シルバー
「国際通貨基金・世界銀行年次総会 2012」/電通
東京ミッドタウン デザインタッチ「HANDCRAFT Tokyo Midtown」/東急エージェンシー
TBWA HAKUHODO「DNA ID」/TBWA HAKUHODO
ユナイテッドアローズ「恋するマリオネット」/TBWA HAKUHODO
アドビシステムズ「FontMe」/博報堂
ブロンズ
国立新美術館「TOKYO ANIMA! 2012」/博報堂
「つながっている カレンダー」/読売広告社
井村屋「スポーツようかん」/電通
アドテック東京2012「Magnetic World」/博報堂
名古屋コピーライターズクラブ「CCN年鑑」/電通
HAKUHODO UNIV.(博報堂大学)「Eye Exercise For Concentration! 」/博報堂
◆プリントクラフト部門
ゴールド
「D&AD賞2012展」/電通
ステッドラー Mars Lumograph「Old man」/電通
ステッドラー Mars Lumograph「Old man/Flower」/電通
シルバー
ステッドラー Mars Lumograph「Flower Mars」/電通
ブロンズ
「Water Men_Coral Reefs」/サーチアンドサーチファロン
◆フィルムクラフト部門
ブロンズ
オロナインH軟膏「お母さんの手も育つ」篇/ワイデン+ケネディ トウキョウ
シマンテック ノートンセキュリティソフト「Omamory」/ビーコン コミュニケーションズ
◆ニューディレクター部門
ブロンズ
スカパー・ブロードキャスティング スカチャン3D「消しゴム屋」/パシフィックボイス
「Transcendent Love」/ 泉田岳(太陽企画)
なお、今年参加した日本人審査員は以下の通り。
- フィルム、ラジオ部門 : 東畑幸多氏(電通)
- プレス部門 : 藤井徹氏(ADK)
- アウトドア部門審査員長、インテグレート、イノーバ、ロータス・ルーツ審査員 : 伊藤直樹氏 (PARTY)
- インタラクティブ部門 : 本山敬一氏(博報堂)
- デザインクラフト、プリントクラフト部門 : 八木秀人氏(電通)
- フィルムクラフト部門 : 関根光才氏(Stink)