カゴメ「食卓にっこりトマトレシピ プロモーション」
(販促会議5月号より)
カゴメは、2012年10月から今年3月末まで、同社のトマト調味料やジュース、生鮮トマトの売り上げ向上を目指し、レシピサイト「クックパッド」を活用したプロモーションを実施。ユーザーレシピやバナー広告の活用、店頭との連動によって、食卓へのトマトメニューの出現率向上や、連動した店舗における売り上げアップを狙った。
20代〜40代女性の食卓への出現率が向上しているか
ターゲットである女性20〜40代に対して、レシピサイト徹底活用と店頭連動の結果、食卓での出現率のアップが発生しているかどうか。1人当たり個数の増加やまとめ買い個数が増加しているかなどを検証。
対象となるトマト調味料は、カゴメ「トマト鍋」「トマトジュース」「トマトピューレ」「完熟トマトホール、カットトマト」「ケチャップ」。対象期間は2012年10月22日〜2013年2月10日。これを前期の2011年10月24日〜2012年2月12日と比較した。
まず、購入者人数が増加したかを見たところ、トマト調味料全体で見ると購入者人数が減少していたが、個数・金額はアップしていた。その要因となったのが、50代以上の個数・金額が前期よりも増加していたこと。また、購入者数においては60歳以上で増加していたが、今回のターゲットとした20〜40代においては前期に届かなかった。
続いて、期間中のトマト鍋※の新規購入者の獲得について検証。対象期間前9週間にトマト鍋を購入していない人を新規者と設定して検証した。その結果、新規者の獲得は、どの年代も前年を下回っており、既存ユーザーの購入比率が高い結果となった。一方でこれは、調査期間前の時期においても食卓に上がっており、固定ユーザーにとっては、通年食べるメニューになっているという可能性が高いとも考えられる。
最後に、トマト調味料の1人当たり購入個数および1回当たり購入個数について検証。1人当たり購入個数は全体で6%以上増加。食卓頻度は上がっていると言え、プロモーションによってメニュー想起されやすくなったと言える。1回当たり購入個数ついては全体で若干増加。50代以上が前期を上回った。
※対象期間のトマト鍋を「完熟トマト鍋」と「海鮮スープのトマト鍋」、前年期間トマト鍋を「完熟トマト鍋」と「イタリアントマト鍋」として検証。
検証1:個数・金額が前期よりアップ
購入者人数は前期より減少したものの、個数・金額においては前期よりも上昇。特に50歳以上の上昇が目立つ結果となった。
検証2:既存客が多くメニュー定番化も
新規購入者比率は、すべての年代において前年を下回る。一方でこれは「トマト鍋」が秋口から食卓に上っており、もはや定番メニュー化している可能性も考えられる。
検証3:全体の1人当たり購入個数・まとめ買いがアップ
1人あたり購入個数および1回あたり購入個数が全体でアップ。「食卓に上る頻度」は向上している。
調査概要:カスタマー・コミュニケーションズ(株)が保有する全国食品スーパーの顧客ID付POSデータを使用。食品スーパー150万人のデータから全国の購買を対象に分析した。来店客のポイントカードなどによって顧客識別を行い、一人ひとりの購買履歴を収集することで、より深い購買分析が可能となる。
【シリーズ 『TOP PROMOTIONのその後』】
- 20代〜40代向け施策によってこの年代の新規購入者比率が増加~販促会議4月号より
- 購入個数増加。既存顧客のリピート購入を促すサンテ40シリーズ ドライバー向けプロモーション~販促会議3月号より
- トライアル施策によって新規客増加、パック商品の購買増加にもつながる ロッテ「チョコパイ30周年記念プロモーション」~販促会議2月号より
- ダノンビオ 14日間チャレンジキャンペーン〜販促会議1月号より
- 全国6都市を回って商品アピール!売上個数・金額が大幅アップ〜販促会議12月号より
- パッケージ全面リニューアルで購入人数、売り上げとも大幅アップ!〜販促会議11月号より
- 「みんなで飲む」が伝わり1回当たり購入個数が伸びる〜販促会議9月号より
- 取扱店が大幅に増え10代~20代の購入も増加!日本コカ・コーラ~「Strike! Splash! Sprite!」キャンペーン~販促会議8月号より
- 若年層の購入増加率が目立って上昇 ノンシリコン以外から顧客を取り込む~販促会議7月号より