【MCとヤングロータスシルバーチームから見たADFEST2013舞台裏バックナンバー】
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土山美咲(大広 第1コミュニケーションデザイン局クリエイティブグループ所属)
なんだか、素晴らしいふりをいただきましたが…
また、土山からのレポートにお付き合いください。
授賞作品について少しだけ…
Film GrandeにはDumb Ways to Dieが輝きましたが、後にMcCANNの方にお話しを伺ったところ、この作品のブリーフはとてもシリアスなものだったそう。けれど、それをそのままシリアスに作るのではなく、面白いものにすることでみんなに訴えかける力を持たせたかったとおっしゃっていました。
しかも、素晴らしいのは、実際に数字での効果測定にもその力が現れていることです。ADFESTでもEffective Lotusが今年から新設されましたが、この作品も素晴らしいクリエイティブと効果測定の良い関係を示せる例だと思います。
また、The Fabulous Fourの最優秀賞を受賞したUnsolved StarsのディレクターKamruzzaman Ratan氏は実は双子で両方クリエイターであり、昔のヤングロータスでもあります。制作期間20日間で、アニメーションの原画を自らすべて書き起こし、編集するのは大変な作業だったと語っていました。
どの国のどの年代の人が見ても、自分に投影できる普遍的なテーマは周りのスタッフの間でも人気でした。このThe Fabulous Fourは、受賞することでアジア中から様々なオファーが舞い込むようになる登竜門です。若手のディレクター皆さんはぜひ、挑戦してください!
アジアにちらばるdotsをconnectする場
いよいよ最後の仕事、Closing Party です。授賞式のドレスから早着替えで到着すると、会場の皆さんはすでに楽しそう。このアドフェストの独特の一体感、大好きです。皆がアジアの広告を盛り上げていきたい!という気持ちを共有し、かつリラックスして、思い思いに楽しんでいるからこそできるホーム感満載のこの雰囲気。
審査員もそこらへんをウロウロしていますから、質問もぶつけたい放題です。日常ではなかなか好きな作品をつくった方に、その感動を伝えたり、Chairmanと人生について語るなんてことはできませんが、アドフェストではそれができます。アジア中の刺激やインスピレーションが集まり、人と人がつながる場です。
司会を終えて
今回、私が感じたアドフェスト司会者としての醍醐味。それはなんといっても、臨場感とその場にいられる興奮です。
受賞者をアナウンスした時に、会場がわっと沸く感覚。受賞した作品が流れ出すと、そこから学び取ろうとする人々の真剣な視線。観客席の暗い部分から、壇上に上がってきてくっきりとする受賞者の笑顔とのコントラスト。
徹夜の連続で作り上げられたであろう作品に拍手が送られる瞬間、そのことを舞台から皆さんにお伝えできることを非常に光栄に思いました。
去年、ヤングロータスとして参加した時、アドフェストは『自分たちの戦いと友情の場』でしたが、スタッフ側として参加した今年は、より『アジア全体の今年の広告の傾向や勢いを感じる場』に変化しました。
最後に、会場などであたたかい言葉をかけていただき、とても嬉しかったです、
ありがとうございました。
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<著者プロフィール>
土山美咲(大広 第1コミュニケーションデザイン局クリエイティブグループ所属)
大阪生まれ。17歳のときアメリカに渡り、高校、大学を過ごす。ネブラスカ州立大学リンカーン校マーケティング専攻、ダンス、テキスタイルデザイン、経済学副専攻卒。
帰国後、大広に入社。2012年ADFESTヤングロータスワークショップ 日本代表。2013年ADFEST MCとして登壇。特技はクラシックバレエ。フランス語を勉強中。