【この記事のコンテンツ】
- 「効果・効率を最大化するFacebookオプティマイゼーション」
株式会社コムニコ シニアアカウントディレクター 市川伸一氏 - 「「データ」×「心理」!行動観察で変わる、企業が狙うべき顧客像とウェブ戦略」
株式会社ビービット 執行役員 磐前豪氏 - 「【楽天流】デジタルマーケティングの極意!究極のロイヤリティープログラム」
楽天株式会社 営業促進グループ マネージャー 向谷和男氏
「データ」×「心理」!行動観察で変わる、企業が狙うべき顧客像とウェブ戦略
株式会社ビービット 執行役員 磐前豪氏
データを大量に集めて解析にかけることで、成果につながるものが自然に湧き出てくるのではないか。そんな考え方は「幻想である」とビービットの磐前氏。「データを集めて分析しても、顧客を把握することはほとんど出来ない」と言う。だが、データだけではなく、その行動を観察することで、企業は対応すべき顧客の姿と、より適切な対処法を見つけることができるという。
数多くの行動観察調査を実施し、その中で顧客を把握する手法をプロセス化し、どうすれば最もウェブビジネスの成果へとつなげられるのかという方法論を作ってきた同社。本講演では、行動観察を用いてウェブビジネスで成果をあげるポイントを、見込み客獲得数12倍を記録したというNECのERPパッケージ「エクスプランナー」のサイトへのコンサルティング事例を題材に紹介した。
そのアプローチの全体像は、最初にゴールを設定し、ターゲットとする顧客(ユーザー)を立て、最後にユーザーをゴールへと導くコミュニケーション・施策を考えていくというもので、この順序で進めることが成果を上げるために必要と説いた。データは、その過程の中で、考え方が妥当かを検証していくため、立てた仮説を確かめるために、見るべきポイントを絞って使用する。
ユーザーを定義する段階で重要なのは、ユーザーに会ってヒアリングをするだけでなく、実際のウェブサイトを操作してもらい、その行動をつぶさに観察すること。ユーザーの意見ではなく、素の行動を見ることで言語化できないニーズを把握でき、ユーザーセグメントの精度を高められる。
データ分析のみのデータドリブンで解析していく方法は、最初は成果を上げるものの、狭い範囲の最適化に過ぎず、次第に伸び幅が小さくなることがある。一方で、まず実際の行動から顧客像に対する仮説を立て、その有効性をデータによって補足するユーザードリブンのアプローチは、課題の根幹に精度の高い施策を講じることにつながり、ユーザーの変化にも対応できるものになる。磐前氏はそのイメージを「データドリブンなアプローチなら105%の改善にとどまるが、ユーザードリブンは150%改善するようなアプローチ」と解説し、ユーザ行動観察の有効性を強調した。
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