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楽天株式会社 営業促進グループ マネージャー 向谷和男氏
【楽天流】デジタルマーケティングの極意!究極のロイヤリティープログラム
楽天株式会社 営業促進グループ マネージャー 向谷和男氏
楽天グループ全体の流通総額が3兆円を超え、人と物とお金が流れるその経済環境は「楽天経済圏」と呼ばれている。最大の特徴は、ひとつの会員IDを持てば、グループのサービスを全て利用することができ、かつ共通のポイントプログラム(楽天スーパーポイント)で還元できる点。この仕組みを活用してマーケティングを加速させていると向谷氏は話す。さらに、決済機能が付随したIDをオフラインにまで波及させることで生まれる「準経済圏」の拡大も進めているという。
こうした成長戦略を支えているマーケティング施策について、認知獲得、理解促進、販売促進、消費者との関係構築を軸とし、これらを認知啓蒙系と販促系の2つの枠組みで解説した。施策の中でも重要になるのが、楽天が保有する「質と量を併せ持った国内最大級のショッピングデータ」だ。楽天市場単体で、1兆4600億円という昨年の流通実績と、約40のジャンル、1億点を越える商品数は、たくさんのジャンル、商品のショッピングデータを保持していることを示す。こうしたデータと、楽天が扱うその他のサービスで得られたデータを活用し、消費者の理解を進めながらCRMを行うことが、認知と販促の施策をつなぐ楽天のマーケティング活動の中心にあるという。
楽天市場ではユーザーとの関係構築を目的としたイベントや販促企画を頻度高く日常的に行っていること、ポイント経済圏をオンラインにとどまらず、他社のオンライン、さらにはオフラインの経済圏にも共有化を進めていくことで、ロイヤリティーの形成に務めているという。加えて、楽天の成功体験を他社にも提供するマーケティングパートナープログラムにも触れ、メーカー向けへの取り組みが、一方で楽天としても消費者へのロイヤリティーを高めることの一助になっているとした。
まとめとして、認知啓蒙と販促について、早期の関係構築と、継続型な関係構築の重要性に触れ、そのためにはデータの活用と、それに基づく理解、またクラスター化された適切なコミュニケーションの設計が大事であると指摘。向谷氏は、ポイント経済圏の活用について「独自にインセンティブのプランを作っていくのはなかなか困難だと思います。それを楽天という大きな流れのなかで、上手く活用していただいて、消費者の後押しを進めていくことが成功のポイントだと考えています」と話し、締めくくった。
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