成功事例から学ぶ、オウンドメディア強化戦略~最新の動画活動ノウハウを交えて~
株式会社Jストリーム上席執行役員 営業本部長 山下徳夫氏
現在、多くの企業が従来型メディアへの露出から動画を活用したオウンドメディアを強化する方向へ動いている。オウンドメディア強化において動画活用が増えている背景として、消費者の購入検討時における情報収集の変化をあげている。
山下氏はメディア数、情報発信者、ユーザーの発言力、影響力がそれぞれ増加、増大したことで情報量が劇的に増大し、情報整理が困難になってきていると指摘。その中でも消費者は、テレビの次に企業のオフィシャルサイトを情報ルートとして選択しているという。同社の調査「オンラインショッピングに関するユーザー動向調査」によれば、オンラインショッピングサイトにおける動画コンテンツの役割について、「商品の理解が深まる」「探している商品かどうか判断するのに役立つ」といった肯定的な意見が多く、8割が動画に何かしらの影響を受けているという。
また、動画の有効性として、テキストや写真では伝わりにくい要素が動画では分かりやすく伝えることができる点を提示。さらに動画制作のポイントとして、映像の質よりも情報の質を上げ、尺は3分以内で短く完結することが重要ポイントだと語った。
また、ユーザーが求める情報の質について「価格ではなく、品質や利便性、ブランドイメージなどの非価格要素を重要とする割合が5割を超えている。これらの部分はテキストや写真よりも動画のほうが伝えやすい」と話した。
動画活用のチェックポイントとしては、次の5つの点を挙げている。
- スマホ、タブレット対応
- 画質、音質
- 自社サイトへの集客導線の確保
- 想定ターゲットは視聴可能か
- 動画から誘導する仕組み(サイトから離脱しない仕組み)
山下氏は特に動画からの導線の重要性について言及し、動画を試聴した後、目的のページや情報に誘導することが目的であるため、その仕組みを作ることがポイントになると語る。また、認知向上か購入支援かの目的に応じたコンテンツの発信方法をとることも重要であると付け加えた。
認知向上を目的とする場合は潜在顧客を含め、不特定多数に向けて興味喚起を促すこと、広く情報をリーチさせることが求められる。これには動画SNSなどを有効活用した集客が考えられる。
購入支援が目的の場合は、企業の伝えたい情報に顧客が多く接する接点を増やすとともにユーザーが離脱しない導線設計が求められると語った。
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