先日、頼まれて電通の新人相手に講義をする機会がありました。入社したての新入社員に、「dofって会社知ってる?」って聞いたんですが、その場にいた20人の中でうちの会社を知っていたのはわずかに4人。軽くショックを受けたのですが、実はこれ、今にはじまったことでなくて、『dofさんって、お名前はときどき聞くんですけど、よく何やっているかわからないんですよねえ…』『東京マラソンを仮装して走ったり、よく「どふどふ」つぶやいていたりするのは目にするんですが…』とか言われることが結構多くて。恐らくこのコラムを呼んで頂いているかたにもそんな方は多いのではないかと思います。
ということで、今回はその謎多きミステリアスな(こういうと少しカッコいいですね)dofという会社についてご紹介します。
銀座線の新橋駅1番出口から徒歩20m、築40年の年期の入ったオンボロビル、そこにdofはあります。初めて来るかたはだいたい戸惑うようです。「プランニング・ブティックに行くんだ」なんて思いながら来ると、もっとスタイリッシュなイメージがあるんでしょうか。
外はボロいですが、内装は頑張りました。2フロアーあるんですが、内装を大島がディレクションをした6階は探偵事務所、僕がディレクションした7階は隠れ家的なバーをイメージしてつくりました。
今どき、全社どこでも喫煙OK。タバコを吸うためだけに遊びに来るヒトも結構います。2フロアーでも社員はたったの4名。最近はどこの会社も会議室がなくて困っているようで、ほとんどの打合せ、そしてオリエンやプレゼンをうちの会社でやることも多々あります。
それでは、ボク以外の3名のメンバー紹介。
まずは最長老、クリエーティブ・ディレクターの大島征夫。dofの初代社長。8年前に僕と一緒に電通を出て今の会社を2人で立上げました。電通時代からトヨタ・サントリー・JR東日本といった日本を代表する企業の広告の数々を手がけ、クリエター・オブ・ザ・イヤー賞はじめ、国内外の広告賞も多数受賞している、(身内の僕が言うのは手前味噌になりますが)広告業界の宝、ボクは日本一のクリエーティブ・ディレクターだと思っています。68歳とは思えない判断の早さと正確さで、今なお、角ハイボールなどのサントリーウイスキーや「行くぜ、東北。」などのJR東日本のクリエイティブ・ディクレターをつとめています。趣味、というかライフワークがお酒を飲むこと、電車に乗ること、なので、100%趣味と仕事が一致しているヒトです。いろんな意味で長島茂雄さんみたいなところがあって、数々の逸話を紹介するとどれだけ時間があっても足りないので、大島の紹介はまた別の機会に譲るとして、2人目のメンバー!
コミュニケーション・プロデューサー、畑間晶太(ショータ)、30歳。3年前、28歳のときに新卒でうちの会社に入って来た変わりモノです。入社前に縁あってインターンというかたちでうちの会社でしばらく働いたのをきっかけに入社してくれました。ショータはニューヨークにあるParsonsという美術大学を卒業していて、最初に会った時はデザイナー志望だと思っていたのですが、多くのヒトとダイレクトにコミュニケーションをとって、ハブ的な存在で物事を動かす仕事がしたいといってdofに入り、コミュニケーション・プロデューサーという役割で、数々のプロジェクトを動かしています。
ショータがPARTY社と共同でプロデュースしたINTELのPOP-UP Theater
社会に出るのが遅れたぶん、ボクが今までの経験を通して得たノウハウや仕事の進めかた、人脈を10歳下の彼に全部引き継いでいきたいと思っています。10年ジェネレーションが違うとモノの視点や情報のリソースが自分とは異なるものになってくるので、社長と社員という関係値はありながら、ときには親子として、ときには兄弟として、ときにはイコールパートナーとして、一緒に未来を語りながらドライブをしている大切なメンバーです。
最後に紅一点、ビューティフル・デスクの草野真理子!(ドフマリ)
06年からうちの会社で働いてもう8年目になる、永遠の28歳です。ともかくEQ(心の知能指数)が高くて、我がままなボクや大島をいつも我慢強く笑顔で受け止めてくれる、かけがえのない存在です。ドフマリのファンは業界内に大勢いて、ボクや大島がいないときを見計らって、彼女と話すためだけにうちの会社を訪れる紳士も結構います(笑)。美味しいハイボールを作らせたら天下一品なので、夕方ぐらいに新橋・銀座方面にお越しの際は是非ともお立ち寄り頂ければと思います。
そんな3名にボクを加えた4名、そのバランスが心地よくて、これもハッピーにお仕事が出来ている理由のひとつだと思います。
だからと言って、これ以上ヒトを増やさないと決めているわけでもなく、仕事上の必要性、そして本当に一緒に仕事をしたいな、と思えるハッピーなヒトがいたら是非仲間になって頂きたいとは考えています。全く具体性のない可能性だけの話ですが、ハッピーな会社であり続けるために。
【齋藤 太郎『世界一ハッピーな会社」をめざして』バックナンバー】