GWも終わりどんどん暖かくなりますね。お休み明けでなかなか仕事モードになれない方や、新人で5月病っぽい方もいると思いますが、夏に向けて服装も徐々に軽やかな感じになっていきます。気分を変えるためにも夏服に着替えて野外に繰り出しつつ、前向きに進んでいきましょう!
さて、今週は前回に引き続き、”ワークショップ型のディスカッションにおける7つの約束”の残りを今回と次回でお話していきましょう。
4.検討は視覚化したものを極力、皆でフィジカル(身体)を使いながら進めていく(検討するためのツールやメソッドを準備する)
皆さん、普段のプロジェクトでのミーティングはどのように行っていますか?みんながPCに向かってメモを取りながらする、メンバーが発言して書記がホワイトボードやPCなどで議事録を取るなど色々なスタイルがあると思いますが、これらのスタイルだと、メンバー全員が発言し、議論を深め、プロジェクトを自分事化していくのが、意外に難しいと感じる経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?特にプロジェクトでのミーティングの場をファシリテートするプロジェクトマネージャーやリーダーは悩むポイントかもしれません。
そこでワンパクで行うディスカッションでは、メンバー全員で一つのものを見ながら、”フィジカル(身体)”を使ってディスカッションするスタイルを基本としています。そのためのツールやメソッドを、ワークショップごとに準備するようにしています。
その理由としては、例えばドキュメントを配布した上でそれを眺めたり、それぞれのPCを見ながらのディスカッションでは、実際その場にいるメンバーの意識がどこを向いているのか、何を考えているのか、見えにくくなってしまうためです。
それらを解決するための手法としては、”一つのものをみんなで見ながら議論する”ことが最も重要なポイントです。しかしながら何もない状態から議論をするにはハードルが高いため、議論が進みやすいように議論する内容の枠(フレーム)をツールやメソッドとして準備し、その枠の中をメンバーの議論で埋めたり移動していきます。
その際には極力、自分の発言は自分で書き、自分の意見は自分の言葉で説明しながら枠の中に貼ったり、移動していきます。各々の意見を視覚化するためには大判のポストイットやA4の紙を準備し、書いたものが他のメンバーにも見えるように記述するにはサインペンを準備します。
このような身体をつかった議論を行うことで、議論した結果は”プロジェクトメンバーで決めたことである”という意識が生まれてきます。
そしてディスカッションした結果はその場で写真におさめ、決定事項として議事録代わりに共有します(これを僕たちは証拠写真とも読んでいますが(笑))。
5.ディスカッション中は、メンバーは平等(フラット)。座り方なども工夫する。
基本は企画などのブレインストーミングなどと同じように、人の意見は否定せずに建設的に発言するというのがベーシックなルールですが、プロジェクトの内容や参加しているメンバーによっては、発言しにくい場面があったり、人の発言をさえぎったりするメンバーがいたり、部門間の壁による意見の食い違いなどが出てきたりすることが、しばしばあります。また、それぞれの立場や経験を踏まえた上での発言には大事な内容やヒントが潜んでいることもあるため、オウンドメディアを進化させるためには、必ずしも同調した意見だけが全てとは言い切れません。
そのような中で、プロジェクトとして忘れていけないのは、それぞれのメンバーがプロフェッショナルとして関与し、プロジェクトを成功させることです。成功に導くために、限られたプロジェクトの資源(予算、スケジュール、リソースなど)の中で、メンバー全員が”積極的に発言し、議論を重ね、考えつくせるか”という点が重要であり、最初の段階で意識合わせしておけるかが肝になります。
そのため、職位や外部パートナーであるかなどに関係なく、誰もがフラットに発言できる環境づくりとファシリテートが必要です。
例えば、ディスカッション時に座る席一つとっても、部門間で固まったり、企業とパートナーが常に向かい合って座り、対峙するような場面をつくらないなどの細かなことも、フラットな場をつくる上で効いてきたりします。
そのため最初段階に約束として、”ワークショップスペースに来た順番に座りましょう”や”企業側、パートナー側で固まって座るのはやめましょう”などを決めておきます。
また、ベテランと若手が発言するタイミングをバラバラにする(会社によっては若手から順番に発言するなどの暗黙のルールがあったりします)などもコントロールすると良いでしょう。
ワンパクでは、これらの細かな約束をプロジェクトキッキオフ時に行っています。さらに、企業側のメンバーの方々とフラットに本質的な議論をするための信頼関係を築いていくために細かなことですが、次のような約束をすることもあります。
- メールに定型化された堅苦しい挨拶や心がこもっていない挨拶を入れない。
例えば、毎回メールに「○○様 平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。」のような文面ではなく、朝であれば「○○さん、おはようございます。昨日は遅くまで対応ありがとうございました」などを使うなど。 - 僕たちは”パートナー”であり”客人”ではないのでお茶出しは不要。
会社によっては毎回伺う度に、お茶を出して頂ける”とてもありがたい”ことがありますが、お気持ちだけで十分。お互いに変なところに気遣いしないためにも、プロジェクトメンバー全員、自分たちが飲みたいものを持参する。
このようなことを、どこまでやるかは企業との関係性やプロジェクトメンバーのリテラシーなどにもよるところが大きいですが、プロジェクトをどう進めるのかを曖昧にしておくのではなく、こういったかたちで進めるということを、自分たちのスタイルとスタンスとしてきちんと設定し、最初の段階で共有し、皆が能動的に発言し、議論できる場を設定できるのか、皆さんがこれから進めていくプロジェクトがあれば、それぞれで考えてみて欲しいと思います。
さて、次回は7つの約束の最後の2つを中心にお話できればと思います。お楽しみに!