古屋彰一(BBDO J WEST クリエイティブディレクター/コピーライター/プランナー)
こんにちは、BBDO J WESTの古屋彰一です。
今週もよろしくお願いします。
今週のテーマも引き続き、地方での広告づくりの魅力についてお話させて頂きます。
ちなみに、分かりやすいように「地方」というタイトルにしていますが、東京の人から「地方」と言われると僕たち地方の人間はその人のことを少し嫌いになりますのでご注意を。福岡のことを九州と呼ぶ人も苦手です。
ひとりでできる
広告予算が多くない福岡では一つの仕事に係る人数をミニマムに抑えなければいけません。
前回お話したような経験のできる仕事が増えるという現象だけでなく、やるべき仕事の範囲が広がるという現象も発生します。
僕が所属するBBDO J WESTではコピーライターがコピーをCMプランナーが絵コンテをなんて分担作業はまずなくて、一人で全部やります。(CDはいますが)
アートディレクターも戦略系のスタッフがいないので、戦略からアートディレクションまでやりますし、ときにはイベントの仕込みから、クライアント接待、CMの演出まで自分でやることもあります。
これは、極端な例ですが
CD、コピー、プラン、演出、カメラ 自分
制作進行、小道具、オフライン編集、車両部 クライアント
ナレーター 嫁
というすごい仕事もありました。
■トライアル コーラTVCM
(NA)
トライアルのコーラは
120円で
4本
買えちゃいまーす。
1本29円
トライアル
その道を極めたプロが集まったほうが、クオリティを高められるのかもしれませんが、全てを自分のコントロール下においた仕事の経験を重ねるメリットもかなりあります。
- 失敗を他人のせいにできない。
(失敗を自分の成長につなげやすいです。) - 成功の喜びを独り占めできる
(歯車感がないのでモチベーションを維持できます。) - 誰にも遠慮せずに、新しいチャレンジができる。
(これが、かなりデカイです。ときに、その道のプロがやる当たり前が出来ないことで、新しい表現が見つかったりしたりします。) - 総合ネイティブ
(元ボクサーや元柔道家が総合格闘家に転身して、特技を活かして適応していくという感じではなく、寝技につなげるための打撃とか打撃につなげるための寝技を最初から自然と身に着けていくみたいな感じで、映像ためのコピー、ビジュアルのためのメディアなどのいろんな分野のコンビネーションを若いうちから身につけることができます。)
というわけで、
地方クリエイターは、オランダリーグのサッカー選手であり、総合格闘家だという話で今週は終わりにします。
古屋彰一
(BBDO J WEST クリエイティブディレクター/コピーライター/プランナー)
1978年 福岡県生まれ
[仕事]ホームセンターグッデイ 福太郎めんべい 下関海響館 ムーンスターなど
[受賞]ACCシルバー・福岡広告協会賞グランプリ・FCC審査員特別賞・TCC新人賞など
「コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常」バックナンバー
- 2013年4月 日野原良行「打席はそこらじゅうにある」
- 2013年3月 竹田芳幸「ありがとう。大石さんと石田さん(コピーライターになる編)」
- 2013年1月 平野慎也「25歳、新人コピーライターのリアル。」
- 2012年12月 室山加奈子「Webディレクター、コピーを学ぶ」
- 2012年11月 小野勇樹「いちデザイナーが感じる、言葉の大切さ。」
- 2012年10月 貝洲岳洋「(極私的)広告セレンディピティ(1)」
- 2012年9月 林潤一郎「よく考えない。」
- 2012年8月 小林麻衣子「女子力」より「おっさん力」
- 2012年7月 杉山元規「悩める29歳(1)」
- 2012年6月 栗栖周輔「学歴なし、職歴なしで広告業界に入るには」
『コピーライター養成講座』
講師は一流のコピーライターが直接指導 プロを育てる実践型カリキュラム
※福岡教室は5月18日開講
いまでも多くの有名クリエイターを輩出している本講座。幾度かの改変を経て、内容を一新。コピーやCMといった、広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。