電通は17日に発表した5年間のグループ中期経営計画で、売上総利益の海外事業構成比を2018年3月期までに55%に高めるとの目標を掲げた。英広告大手イージス社の買収で海外構成比は18%から44%に引き上げられたが、イージスとの協業を生かしてさらにグローバルクライアントの取引拡大を目指す。
具体的には、電通とイージス双方の顧客資産を活用し、電通の顧客の海外展開や、海外のイージス顧客の日本展開を支援する。既存のグローバルクライアントに対しては、取引地域の拡大やクリエイティブやデジタルなど、サービス領域の拡大を提案する。
イージス社の買収は今年3月に完了した。あわせて電通は、海外事業の統括本社となる「電通イージス・ネットワーク社」をロンドンに設立。これにより、グループの売上総利益は3459億円から5068億円に、ネットワークは28カ国から110カ国に、従業員数は2万2651人から3万7450人に拡大した。
中期計画ではこのほか、売上総利益に占めるデジタル領域の構成比を、23%(13年3月期)から35%に拡充するとの目標を掲げた。具体的には、データ解析力やPDCA強化などによる新たな収益モデルの確立や、新しいデバイスに対応したコミュニケーションやセールスプラットフォームの収益化、販売までを統合してマネジメントするサービスの提供などを強化するとしている。