このコラムで取り上げているO2Oというテーマは、多義で多面性があるため、分類や体系化が難しく、クライアントや社内の方々から相談受ける内容も様々だったりします(そのために、このコラムを通じて整理させていただいているのですが)。
その相談の中で、O2Oにおける「集客」と「送客」というテーマで議論があったので、今回は、その話をさせていただこうかと思います。
ひとつの整理の方法としてO2Oを「集客」と「送客」というキーワードで分けて考えるにあたって、言葉のニュアンスから意味を定義してみたいと思います。
集客:何かしら自社の顧客化されているユーザーを自社の店舗などに誘導する施策。
送客:顧客化されていないユーザーを他メディアなどから誘引する施策。
そもそもO2Oは、メディアの話ではなく、マーケティングの考え方のひとつと捉えています。
O2Oサービスとして旗を立てている“メディアからの誘導”と“自社のマーケティングプロセスにO2O的な仕組みを組み込む話”は、そもそも考えの起点が異なっていることが多いのではないでしょうか。
個別のサービス(メディア)の名称は取り上げませんが、それらのメディアから店舗に誘導してくるアプローチの多くは、メディア施策として見込み顧客獲得であり、その時点では、自社のマーケティングサイクルに乗っているとは言えない状況にあるかと思います。
これは、送客という言葉が近しいO2O施策と捉えています。
一方、自社のマーケティングプロセスとしてO2Oを組み込もうとしている企業の視点に立つと、外部メディアから自社に見込み顧客を誘引した後に(直接、店舗で顧客化する場合もありますが)、自社のO2Oマーケティングプロセスに乗せていくことを主眼においている感覚があります。
その場合には、集客としてのO2Oが言葉の感覚として近しいイメージがあります。
どちらが良い悪いということではなく、それぞれの企業や店舗の体力・ブランド力、目的やビジネスモデルそのものによって、取り得る手段が違うということです。
一般的な言葉の定義とは異なりますが、集客と送客の言葉の定義をO2Oにおける視点で整理してみると、自社で行おうとしているO2O施策がどのような目的で行おうとしているのかが見えてくるのではないでしょうか。