一人旅のススメ。

ペルー マチュピチュ遺跡にて

見たり、聞いたり、経験したりといった「インプット」が多ければ多いほど、創り出せるもの、「アウトプット」の量や質が良くなるとボクは信じています。そういう意味で直接的に仕事の話ではないのですが、仕事をして行く上で、多くのモノをボク自身に与えてくれた、「旅」について今回はお話したいと思います。学生時代にバックパッカーとして南極を含む7大陸、30カ国以上を旅して、社会人になったあとも現在にいたるまで時間を見つけると旅に出るようにしていますが、旅は本当に多くのものを自分に与えてくれる。

そんな旅の中でも、ボクは出来るだけ一人で旅をすることをおススメします。家族や恋人、仲のいい友人と行く旅ももちろん楽しいですが、一人旅には一人旅にしかない楽しみや、得られるモノがあります。ボクが一人旅をオススメする理由は3つ。

南極大陸に上陸

1つ目。
旅のプランやスケジュールが全て自由に決められる。誰かと一緒に旅をしていたら、100%自分の思い通りに動くことは難しくなります。自分の興味のない場所に行くことになったり、逆もしかりで、相手に気を遣いながら付き合わせることもあるでしょう。朝起きて、その日の体調や気分で行くところを決めたり、お腹の空き具合で、食べる時間やモノを決めたりすることができます。短期間の旅であれば、あらかじめ行き先を決めてから旅をすることが多いと思いますが、1ヶ月以上の長期間に渡り、行き先など特に決めずに放浪をするスタイルの旅をする場合、一人旅の気楽さは大きい。ボクの場合は最初に行く国と街だけを決めて、あとは帰国する日にちも決めず、その場で知り合った同じく一人旅の人間から情報を収集し、次の目的地を決めながら渡り歩いていくスタイルでした。学生時代はインターネットもまだない時代だったので、ほかの旅人から生の情報を貰うことが何よりも貴重だった。

ペルーにて地元の子どもたちと

2つ目。
一人でいる時のほうが「アンテナが高くなる」。
誰かと旅をしていたら必然的にそのヒトとコミュニケーションを取ることが多くなります。気心のしれている相手であればなおさらそうでしょう。お互いに助け合える安心感はあるとは思いますし、寂しくなることもないとは思いますが、同時に周りの刺激に鈍感になることも意味すると思います。日本にいる時でも、1人で電車に乗るのと、誰かと話をしながら電車に乗るのとを比べた場合、車窓の景色や車内の音、周りの乗客などに対してのアテンションが後者のほうが低くなるのと同じです。せっかく限られた時間、非日常に身を置いているのだから、出来るだけ多くのほうが吸収をしたほうがいい。観察力を高めるためにも、アンテナを高くする一人旅は有効です。また、一人のほうが周りから声をかけられることも多いと思います。自分から周りに声をかけることも多くなるでしょう。一人旅の人間同士が声をかけあって、情報交換をしあったりすることにより、ガイドブックには載っていないような生きた情報が入手できることが多々あります。

3つ目。
全ての解決を自分自身で行なわなければならないこと。誰も頼る相手がいない以上、発生するトラブルの解決をするのは自分しかいません。インドのような国を旅した場合、旅はトラブルの連続です。電車やバスが時間通りに運行し、どこのレストランに入っても清潔で、美味しい料理が出てくる日本のような国は世界中でも限られています。そんな押し寄せるトラブルを自分の力で解決して行くのは最高の課題解決の練習だと思います。予想外のトラブルを楽しみながら、困難な状況でも何とか乗り越えて行く。慣れてくると、多少のトラブルが起きても動じない図太さを身につけることができます。

イタリア・ピサの斜塔にて

「一人旅はしたいけど、寂しそう」という声を聞くことがありますが、ボクが一人旅をしていて寂しさを感じたことはほとんどありません。カップルや家族連ればかりの高級リゾートに一人で行ったら感じるとは思いますが、貧乏なバックパッカーが泊るような安宿に行くと、世界中から同じように一人で旅をしている人間と会うことができます。そこで出会った彼らと一緒に食事をして、酒を飲み、考え方や価値観を共有することで、旅行先で得られる経験に加えて、多くのものを得ることが可能になりました。
このとき得た経験は、いま現在、仕事をする上で大きな糧になっています。まさに百聞は一見にしかず。
どふですか、一人旅。してみたくなったでしょう?
まだしたことのないヒトは、是非一度。

齋藤 太郎(dof 代表取締役社長 / コミュニケーション・デザイナー)
齋藤 太郎(dof 代表取締役社長 / コミュニケーション・デザイナー)

1972 年11月24日アメリカ合衆国オハイオ州グリーブランド生まれ。 10歳までアメリカで過ごしたのち、来日。小学高学年を佐賀で、中学・高校を名古屋で過ごす。91年慶応義塾大学環境情報学部(SFC)入学(SFC2期生)。大学在学中はひたすらアメリカンフットボールと貧乏旅行(バックパッカー)に明け暮れる。大学在学中に放浪した国は30カ国以上。
95年卒業後、株式会社電通入社。
テレビ局6年、営業局4年を経て、05年にクリエイティブ・ディレクター大島征夫とともに、コミュニケーション・デザインを生業とする、株式会社 dof を設立。13年、電通グループから独立。
製品開発から、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、 コミュニケーショントータルでの「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。幅広い人脈を生かしてのプロデュース力、実現力にも定評があり、最近では海外案件にも精力的に取り組んでいる。

仕事を進める上でのモットーは、「コミュニケーションの力で、世の中をハッピーに。」

【主な仕事】

サントリー 「 角ハイボール」「トリスハイボール」「山崎」「白州」「天然水」「ウーロン茶」
ジェイアイエヌ「J!NS PC」「Airframe」
JR 東日本 「行くぜ、東北。」「My First Aomori」「SUICA」
江崎グリコ 「ハラペコにプリッツ!」
永谷園「生姜部」「あさげ」
資生堂 「 専科」「SUPER MiLD」

【受賞歴】
2012年 日経 MJ ヒット商品番付受賞 JINS PC ( ジェイアイエヌ )
2010 年 日経 MJ ヒット商品番付受賞 専科 ( 資生堂 )
2009 年 日経 MJ ヒット商品番付受賞 ハイボール ( サントリー )

2009 年 第二回 日本マーケティング大賞「角ハイボールのヒット ウイスキー復活にむけて」
2009 年 日本食料新聞社 食品ヒット賞受賞 「冷え知らず」さんシリーズ ( 永谷園 )

twitter:https://twitter.com/doftaro
facebook:http://www.facebook.com/doftaro

齋藤 太郎(dof 代表取締役社長 / コミュニケーション・デザイナー)

1972 年11月24日アメリカ合衆国オハイオ州グリーブランド生まれ。 10歳までアメリカで過ごしたのち、来日。小学高学年を佐賀で、中学・高校を名古屋で過ごす。91年慶応義塾大学環境情報学部(SFC)入学(SFC2期生)。大学在学中はひたすらアメリカンフットボールと貧乏旅行(バックパッカー)に明け暮れる。大学在学中に放浪した国は30カ国以上。
95年卒業後、株式会社電通入社。
テレビ局6年、営業局4年を経て、05年にクリエイティブ・ディレクター大島征夫とともに、コミュニケーション・デザインを生業とする、株式会社 dof を設立。13年、電通グループから独立。
製品開発から、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、 コミュニケーショントータルでの「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。幅広い人脈を生かしてのプロデュース力、実現力にも定評があり、最近では海外案件にも精力的に取り組んでいる。

仕事を進める上でのモットーは、「コミュニケーションの力で、世の中をハッピーに。」

【主な仕事】

サントリー 「 角ハイボール」「トリスハイボール」「山崎」「白州」「天然水」「ウーロン茶」
ジェイアイエヌ「J!NS PC」「Airframe」
JR 東日本 「行くぜ、東北。」「My First Aomori」「SUICA」
江崎グリコ 「ハラペコにプリッツ!」
永谷園「生姜部」「あさげ」
資生堂 「 専科」「SUPER MiLD」

【受賞歴】
2012年 日経 MJ ヒット商品番付受賞 JINS PC ( ジェイアイエヌ )
2010 年 日経 MJ ヒット商品番付受賞 専科 ( 資生堂 )
2009 年 日経 MJ ヒット商品番付受賞 ハイボール ( サントリー )

2009 年 第二回 日本マーケティング大賞「角ハイボールのヒット ウイスキー復活にむけて」
2009 年 日本食料新聞社 食品ヒット賞受賞 「冷え知らず」さんシリーズ ( 永谷園 )

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