5月28日、宣伝会議では広告マスターコース会員を対象とする編集長セミナーを開催。講師は、コージー・ジャパン会長の狐塚康己氏。狐塚氏は4月に著書「図説 アイデア入門―言葉、ビジュアル、商品企画を生み出す14法則と99の見本」(宣伝会議刊)を刊行。この書籍の内容をもとに「アイデアのつくりかた」に関する講義を行った。
狐塚氏は大学卒業後、J.W.トンプソン・ジャパンでアートディレクター、CM部長を経て、サーチ・アンド・サーチで副社長兼クリエイティブディレクターを務めるなど長く外資系エージェンシーでクリエイティブ職を経験し、そこで得たアイデアのつくりかたに関するノウハウを「図説 アイデア入門」として1冊の書籍にまとめた。
氏は「J.W.トンプソンのジェームズ・W・ヤングも『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』と著書の中で書いている。そして、そのアイデアを考える上でレトリックが有用」とし、レトリックに絞り込んでアイデアづくりの手法を14種類に類型化、99のイラスト例を掲載した書籍を執筆した。狐塚氏は海外のクリエイターと仕事をする中で、欧米のクリエイティブはレトリックを多用したものが多いことに気づき、アイデアづくりの方法としてレトリックに着目したという。
講演では、実際の商品、広告、建築などの事例を見せながら、そのアイデアがどのようなレトリックで構成されているかを解説。途中「コピー用紙で飛行機を使って、誰が一番遠くまで飛ばせるか競う」など、氏独自のワークショップを用いながら、講義は進んだ。狐塚氏は「海外のクリエイティブ作品は『レトリック』を駆使したアイデアが多い。レトリックを用いたアイデアづくりの手法は、コミュニケーションのみならず、商品開発にも活かせる点が多い」と話した。
宣伝会議コピーライター養成講座の人気講義「クリエイティブアイデアの導き方」を担当するクリエイティブディレクター・狐塚康己が、外資系広告会社で培ったアイデアづくりの手法を、「レトリック」に絞り込んで14種類に類型化し、99のオリジナルイラストで解説したアイデア入門書。