電通、企業の環境マーケティングをサポートする新プロジェクトを発足

電通は29日、企業の環境マーケティングを支援する新たなプロジェクト「Wood Innovation Project(ウッド・イノベーション・プロジェクト)」を発足させた。
プロジェクトは、持続的な森林育成と木材資源の有効活用を通して“人と木との共生”について考えるというもので、環境保全・創造に取り組む企業を、マーケティングや商品・サービス開発、広告・コミュニケーション、ブランディングなどの視点から支援することを目的としている。

プロジェクトの主な活動内容は以下の通り。
■有識者や、森林育成・木材資源活用に取り組む団体・個人と連携した、人と木との共生や、新しいライフスタイルについて考えるラボ「Wood Innovation Lab」の推進。
■プロジェクトの拠点となるWEBサイトの企画・運営。
■CSV(Creating Shared Value)の観点から森林や木材の活用を考える企業に向けた、企業広告の提案。
■さまざまなデザインショップやクリエイターと連携した、「Wood Innovationブランド」の商品開発・販売。

プロジェクトの事例のひとつ、電通本社エントランス企画「Wood Innovation, Wood Entrance」。 コンセプトは、「木で森も人も、電通人も元気に。」。

プロジェクトのオリジナル商品「木づかい祝儀袋」「木づかいのし紙」。 0.1ミリの木材シートを作る世界初・世界最薄の技術を活用し、国産の間伐材で制作した。

日本には、利用可能な木材資源が充実しているものの、その活用が十分に進んでいないために、森林の荒廃を引き起こしているという実情がある。
日本において循環型社会を形成していくためには、いかに森林を育成し、育った木材を資源として有効利用していくかが重要とされている。
近年、こうした課題の解決に向けた動きが加速しており、2010年には“公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律”が施行、今年4月には『木材利用ポイント事業』(※注1)がスタートした。

日本ユネスコ協会連盟の世界寺子屋運動を支える、電通の「書きそんじハガキキャンペーン」。そのハガキを回収するポストを、宮城県南三陸町の間伐材を活用し、「南三陸の森希望のポストプロジェクト」として展開。プロジェクトのメンバーが、ポストやポスターのデザイン監修を担当した。

「また、事業活動を通して社会の課題を解決していこうとするCSV(Creating Shared Value ※注2)の動きが森林や木材の分野にも波及しており、すでに多くの企業が“持続的な森林育成や木材資源の有効活用”に着目し始めている。当社はここにビジネスチャンスがあると考え、以前から木材資源を利用した商品企画などを行ってきた。
今後、より広範な活動を行っていくため、本プロジェクトの立ち上げに至った」(同社)。

プロジェクトでは今後、独自のデザインや新しいアイデアを付加した商品・コンテンツの開発を行うなど、クライアントのマーケティング活動に資する木材資源の活用を提案し、新たな市場の創造と開拓に取り組む。

活動の一環として7月3日には、最新の木材加工技術やユニークな発想で開発された商品・サービスを紹介し、新たな木材ビジネスについて考えるイベント「Dentsu WoodInnovation Forum」を開催する予定だ。


※注1 「木材利用ポイント事業」
スギやヒノキなど「地域材」の適切な利用により、森林の整備・保全や地球温暖化防止などに貢献し、地域振興に資することを目的に、地域材を活用した木造住宅の新築、内・外装工事、木材製品の購入などの際に、「木材利用ポイント」を付与し、地域の農林水産品等と交換できる制度。

※注2 「CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)」
米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授らが提唱した、事業活動を通じて社会課題の解決と企業の利益・競争力向上を両立させ、社会と企業の両方に価値を生み出すための新しい経営フレームワーク。

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