店頭においては、5月5日から、店頭とテレビCM、ウェブサイトにてブランドの認知アップを図るキャンペーンに合わせて、「みなさまのお墨付き」の対象商品に対して、消費者テストの「支持率」の開示をスタートしました。個々の商品の値札の上に「支持率」の載ったPOPを設置。例えば「ソフトいか燻製」にはその支持率「97.4%」を表記。一般の消費者にきちんと評価されていることを明確にすることが狙いです。
また、「支持率」の横に、商品特長を記しています。やはりNBと比べ、PBはお客様にとっては未知の商品が多い。その不安感を消す軽減するためにも、商品をパッと見比べる際に特長を伝えることは重要だと考えます。また、陳列では同じくらいの品質感の商品を近くに並べるようにします。これは、両者を比較しやすくするためです。
「みなさまのお墨付き」は、合格して商品化した後、1.5〜2年を目処に再テストをするプランになっています。商品の改廃が早く、お客様の嗜好の変化が早い日本において、常にその時のお客さまの求める「価値」を提供し続けるためです。また、味・価格・容量でのいずれかで変更があった場合も、再テストを課しています。例えば商品の原材料高騰により、メーカーから価格や容量の変更要望があった場合、新価格・新容量で再び消費者テストを受け、支持率を調べるという手順を踏んでいます。
開始以来、「みなさまのお墨付き」は好調に売り上げを伸ばしており、今年末までの販売品目数を当初計画の400から500 に拡大しましたが、西友として今後、PB商品を乱発して増やしていくという考えはありません。利益率から拡大路線をとる例もありますが、当社ではお客さまにとっての「商品を選ぶ楽しみ」をとても大事にしており、お店がPBばかりになると買い物がつまらなくなると思っています。
PBとNB、そしてダイレクトインポートそれぞれの商品のバランスを考えながら展開してまいります。
■取材を終えて
今でこそPBのイメージは変わり、安心して買えるブランドとして確立されてきているが、一昔前は「安かろう悪かろう」の代名詞でもあった。今回、お話をお聞きしたPB「みなさまのお墨付き」は、価格戦略を強く押し出す西友にありながら、価値に強くこだわり、消費者テストを行うまでの徹底ぶり。今までお客様に提供してきた「価格」での安心感に加え、「価値」という安心感までをもたらす新たな取り組みであり、価格訴求と価値訴求を両立している数少ない事例の一つだ。
徹底した消費者テストや、分かりやすい数値評価、定期的な再テストなど、非常に手のかかる仕組みでPBづくりに取り組んでおり、西友の真摯さや誠意というものを強く感じた。そういう意味では、これからのPB作りは、”プライベート”ブランドではなく、”プライド”ブランドを作るというフェーズに来ているのだと思う。