カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルがいよいよはじまりました! 現地に来ている村山佳奈女と申します。初参加の今回、日本人同士だけで固まるのではなく、がっつり世界中の若手と絡みたい。ということで、取材と称して世界中の若手アド・パーソンたちにインタビューすることにしました。
相方は、今年のアドフェスト ヤングロータス日本代表の畠山侑子さん。アジア太平洋の若手たちとコンペで戦い、語り合った経験を通し、彼らの自国への関心の高さや、クリエイティブで国を幸せにしていきたいという熱に刺激を受けてきたということでタッグを組みました。
世界の同世代たちが何を考えてこの場所に来たのか。ふだんは何を思い、どんな働き方をしているのか。将来をどうとらえているのか、夢はなんなのか…などなどを、会期中にリアルタイムで取材して、毎日更新(予定)です! 世界の若手のスナップ&体当たりインタビュー、どうぞご期待ください。
さて、記念すべき一人目は……エントランスでつかまえたこちらの彼!
――簡単な自己紹介をお願いします!
「スリランカのJWTのシニア・コピーライター、Asela de Silvaです! 28歳です」
――Aselaさん、こんにちは! さっそくですが、今年の作品の中で一番好きなものはなんですか?
「『Dumb Ways to Die』だね。つまらない話になりがちな題材を、あんな風に仕立てたことがほんとうにすごいと思う」
――この作品は「地下鉄の事故防止」というブリーフだったと伺いました。確かにすごいジャンプですよね。では、スリランカのおススメ広告を教えてください!
「『Cerebral Palsy』をぜひ見てみて!」
――今回はヤングカンヌの代表として来たのですか?
「いや、違う。Young Creative Academyのスカラーシップを得たので来たんだ」
――若手クリエーターに向けた教育プログラムで、世界中で数人しか選ばれないスカラーシップなんですよね。Aselaさんは、スリランカでは初めての合格者と伺いました。すごい! スリランカでのお仕事では、普段どんなことを課題に感じてますか?
「スリランカの人口はたった2000万人でマーケティング予算もとても小さいんだ。だからクライアントは、クリエイティブジャンプしたキャンペーンに挑戦するのをとても怖がる。僕らが提案するアイディアは毎回大体3方向。クリエイティブジャンプしたもの、OKクリエイティブ、安心でストレートなもの。ほとんどのクライアントが、3番目を選ぶ。だからスリランカの広告はそういうものばかり。ユーザーになかなか覚えてはもらえない」
――そんな状況に対してAselaさんは何ができると思いますか?
「自分の手掛けたキャンペーンを信じて、クライアントを心から説得する。“Believe”。それしかやれることはないよ」
――潔いですね! “Believe”を続け、あなたが広告で叶えたい夢は何ですか?
「いつか、世界中の人々にスリランカの広告について語り合わせたい。日本やタイやインドの広告がそうであるようにね」
―――最高にステキな夢ですね。ありがとうございました。ちなみにカンヌでは毎晩いろんなパーティが開かれていますが、今夜はどこへ行く予定ですか?
「寝る(笑)。今日着いたばかりでくたくただからね!」
――たっぷり寝て、明日からのなが〜い講義に備えてください(笑)。ありがとうございました!
全てのスリランカの若手にこういう機会があってほしいと熱く語るAselaさん。
カンヌはクリエイティビティのお祭りであると同時に、若手が夢へと近づくためのチャンスの場所でもあるようです。
本連載は明日も更新予定です!どうぞお楽しみに。
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村山佳奈女(むらやま・かなめ)
1984年、東京生まれ。一橋大学を2留して卒業後、フリー(ライ)ターを経たのちに編集者、現在は外資系広告代理店に勤務(2年目)。賞罰ともにあまり無し。TBSラジオ「文化系トークラジオLife」crew。特技は金魚すくい。
畠山侑子(はたけやま・ゆうこ)
大広 第1CD局BDC コピーライター・プランナー。1984年酒屋の娘として誕生。2007年SFC卒業後、大広に入社。プロモーション局を経てクリエーティブ局へ。2013年アドフェストにヤングロータス日本代表として出場、シルバーを受賞。その他の受賞歴はラジオ広告電通賞グランプリ、ACCブロンズ等。現在はPanasonic等を担当。特技は腹話術。
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プレゼン勝率の高いプレイヤーが率いるチームほど、カンヌの受賞作を研修の一環として活用しています。それが実務で応用できるのは、自らの頭でエレメントに分解して、吸収しているためです。宣伝会議では厳選事例の裏側を学び、筋の良いアウトプットに活かすセミナー2013を開催いたします。