〜「のどごし 夢のドリーム」キャンペーンの効果〜
キリンビールは今年1月1日より、同社の新ジャンル「キリン のどごし〈生〉」のキャンペーンとして、消費者参加型の企画を主軸に据えたキャンペーンを開始。テレビCMをはじめ、ウェブ動画で「夢がかなう瞬間」を見せていくことで、商品のブランド強化と鮮度の向上を狙っている。
この記事は、販促会議7月号に掲載されました。
<分析の軸と詳細>
メインターゲットである男性30代の購入促進に寄与したかどうか
2005年4月の発売から、新ジャンルカテゴリーで7年連続売り上げ1位の同商品。今回の施策では、主なターゲットを30代男性と設定。この層が取り込めているかどうかを軸に分析を行った。
このキャンペーンは1月からスタートしたため、調査対象期間は2012年12月31日から13年4月7日まで。この期間の数値と、前年の2012年1月2日から4月8日までの期間とを比較した。
最初に、性年代別に新規者は取り込めたのかどうかを検証した。この場合の新規者とは、集計前26週間に「のどごし生」の購入のない顧客とした。すると、新規顧客人数は、全体として伸びていないものの男性の40代、70歳以上は増加していることが分かった。また、購入者の中に占める新規者比率は男性の50代以下で微増。特に40代が一番伸びている結果となった。
続いて、性・年代別1人当たり指標である、「購入率」「1人当り購入個数」「1回当り購入個数(まとめ購入)」について検証した。すると、購入率は、全体では微増しており、男性は、20〜30代と70歳以上が増加していたことから、今回の施策の目的である若年層取込ができていることが分かった。1人当たりの個数は、男性70歳以上のみで増加。まとめ買いは、女性は微減だが、男性は微増。特に20代、40代、70歳以上で増えていた。
最後に、このキャンペーンのスタート後のトライアル率とリピート率の推移を検証した。累積トライアル率(累積購入率)は、前年に比べ、キャンペーン開始当初から順調に推移し高い結果となっている。リピート率も9週目から前年を上回り、順調にリピート顧客を増やしている結果となった。
検証1:購入者の中に占める新規者
比率が50代以下で微増
購入者の中に占める新規者比率は男性の50代以下で微増。特に40代が一番伸びている結果となった。
検証2:男性20代、30代の購入率が微増
今回のキャンペーンのメインターゲットは30代男性。この層の購入率は前年同期と比べて微増となった。
検証3:累積トライアル率がキャンペーンスタート当初より順調
キャンペーン開始後のトライアル率は、開始当初より昨年を超える形で推移。リピート率も9週目より前年を超えている。
調査概要:カスタマー・コミュニケーションズ(株)が保有する全国食品スーパーの顧客ID付POSデータを使用。食品スーパー150万人のデータから全国の購買を対象に分析した。来店客のポイントカードなどによって顧客識別を行い、一人ひとりの購買履歴を収集することで、より深い購買分析が可能となる。
【シリーズ 『TOP PROMOTIONのその後』】
- アサヒビール「ジャック ダニエル」販売開始プロモーション~販促会議6月号より
- まとめ買い、購入個数が増加。「トマト鍋」の通年定着化傾向も~販促会議5月号より
- 20代〜40代向け施策によってこの年代の新規購入者比率が増加~販促会議4月号より
- 購入個数増加。既存顧客のリピート購入を促すサンテ40シリーズ ドライバー向けプロモーション~販促会議3月号より
- トライアル施策によって新規客増加、パック商品の購買増加にもつながる ロッテ「チョコパイ30周年記念プロモーション」~販促会議2月号より
- ダノンビオ 14日間チャレンジキャンペーン〜販促会議1月号より
- 全国6都市を回って商品アピール!売上個数・金額が大幅アップ〜販促会議12月号より
- パッケージ全面リニューアルで購入人数、売り上げとも大幅アップ!〜販促会議11月号より
- 「みんなで飲む」が伝わり1回当たり購入個数が伸びる〜販促会議9月号より
- 取扱店が大幅に増え10代~20代の購入も増加!日本コカ・コーラ~「Strike! Splash! Sprite!」キャンペーン~販促会議8月号より
- 若年層の購入増加率が目立って上昇 ノンシリコン以外から顧客を取り込む~販促会議7月号より