O2Oと関連する領域の話のひとつとして、ビッグデータというトレンドワードがあります。
企業内外に蓄積されている莫大なデータの中から経営効率化のための手段やセールス/マーケティングにおけるビッグアイデアの発見を行うというものですが、その宝の山だと思っている「ビッグデータが腐っている」と言われると、ビクッとするヒトもいるかもしれません。
もともと、データ解析関連のサービスやアクションは、自社保有のユーザーデータ、具体的には、直近の購入時期や購入回数、購入総額などを会員登録されたユーザーごとに追いかける分析(一般的にいうRFM分析)や、特定商品と合わせて購入されている商品をレシート単位で分析するアプローチから、ユーザーのデモグラフィックデータに紐付けた分析、最近では行動エリアなどのジオグラフィックに連動された分析などと展開されてきています。
購入データ以外の情報との紐付けは、O2Oのアプローチが進めば進むほどに加速度的に増えてくると予想されますが、会員登録情報含め、デモグラフィックやジオグラフィックなどのデータがあくまでも常に正しい情報でないと、そこから導きだされる結論やアプローチは正しいものであると言えません。
スマホの普及、認証キーの共有化、それに伴うO2O的アプローチの浸透していく過程でデータはよりリッチになっていくことは間違いありませんが、個人生活における環境も流動性を増して来ている中で、「個人がより流浪の民化」していることも注意しなければなりません。
当たり前ですが、店頭で個人情報を記入して会員証を作っても、住所が変わった、メールアドレスが変わったなどの状況になっても、イチイチそれらの店舗に情報の更新をしに行くことはないと思います。
集めた個人情報が以前にも増して賞味期間が短くなり、腐りやすくなっていると思う方が適切で、自社の顧客データ、ビックデータが腐っていないか。
それをどうやってリフレッシュしていくのか、O2O的なアプローチが多様化する中で、このような根本的な問題解決も意識しておく必要があるのかもしれません。