企業の論理だけでつくられたメッセージは通用しない――電通

宣伝会議は、6月5日に東京・港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で、「宣伝会議インターネットフォーラム2013」を開催しました。WEB・デジタルテクノロジーの発展と、それに伴って大きく変わりつつあるメディア環境や消費者行動をとらえ、企業コミュニケーションの未来と、そこでのデジタルの活用可能性を探る同イベント。今回の来場者数は、前回の2591人を大きく上回る3521人にのぼりました。
幅広い業種・業態の企業でデジタルマーケティングに取り組む責任者・担当者が登壇した講演はもちろん、そうした企業の取り組みをサポートするツールや技術を紹介する展示にも多くの人がつめかけ、会場全体が熱気に包まれました。ここでは編集部が特に注目した講演にスポットを当て、そのレポートをご紹介します。

講演者:廣田 周作(電通 プラットフォーム・ビジネス局 開発部 コミュニケーション・プランナー)

ファン中心の口コミ構造に

ソーシャルメディアが浸透し、これまでの「広告で人を連れてくる=リーチ主導型」の考え方に加えて、「自社のファンを見つけ出し、ファン自らのブランドに関する体験やストーリーを共有する=エンゲージメント主導型」の考え方も大切になっている。

では、自社のファンはどこにいるのか。廣田氏がさまざまなコミュニケーション施策の結果を、ツイッター上の口コミを対象に可視化し分析したところ、ソーシャルメディア上では、意外にも、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人たちが口コミの話題全体に与える影響は、限定的であるということが分かったという。ほとんどの場合、口コミは小さなグループ単位で起こっている。

「ソーシャルメディアでは、企業やブランドに対して愛着を持っている“濃いファン”のグループを見つけて分析し、彼(彼女)たちが喜ぶことを行うのが良い方法だと考えています。ファンを中心にした情報発信や施策を行うことで、話題が共有されたり、拡散されやすい構造になります」と廣田氏は話す。

マーケティングは180度変わる

変化する企業コミュニケーションの現状説明に続き廣田氏は、フェイスブックページ開設に携わった、テレビ新広島の生活情報番組『ひろしま満点ママ!!』の事例紹介を通じ「SHARED VISION(シェアードヴィジョン)」という新しい考え方を提示した。

テレビは、番組を制作する番組スタッフと、一般視聴者とは、当然ながら明確に分かれている。しかし、「送り手」も、「視聴者」もどちらも広島のことを大切に思っているという意味では一緒だ。では、「送り手」「視聴者」という立場を超えて、何か一緒に地域のためにすることができないだろうか?

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相手を大切にすることからはじめるコミュニケーション「SHARED VISION [シェアードヴィジョン]」
「シェアードヴィジョン」とは、「皆で創りたいこと」「皆で創る理想の姿」の意味。企業と生活者が未来のイメージを共有し、円滑なコミュニケーションを図っていくためにはどのようにすべきか、事例などをもとに紹介していく。

定価:¥ 1,680円 発売日:2013/6/4

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宣伝会議 インターネットフォーラム事務局 2013
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