P1 住友スリーエム「デザインのインパクトを数値で可視化」、プラスアルファ・コンサルティング「ソーシャル分析は定性情報の見える化が不可欠」
P2 プラップジャパン「リリースは新たなオールラウンド・メディア」、サッポロビール・ユーザーローカル「日曜夜の投稿で新規ファンを獲得」
デザインのインパクトを数値で可視化
講演者:森 勇樹(住友スリーエム コマーシャルグラフィックス事業部 マーケティングストラテジー部 担当マネージャー)
マーケティングストラテジー部担当マネージャーの森勇樹氏がまず強調したのは、消費者がメディアや街中で目にするメッセージは1日5000以上と言われる中、企業のメッセージを的確に伝えるのは容易ではないということだ。メッセージが伝わっているかを検証する一般的な方法としては、人の視線の動きを分析する「アイ・トラッキング」が挙げられる。しかし、特殊な装置が必要なこと、また被験者を集めて行う実験ベースの検証のため、時間とコストがかかり、頻繁には実施できないのが課題だった。
こうした点を踏まえて森氏が紹介したのが「視線予測サービス(Virtual Attention Service)」だ。アイ・トラッキングに比べて、短時間で手軽に、さらに低コストで実施できることに加え、アイ・トラッキング分析にひけをとらない合致精度(80~90%)を誇る。
利用方法は次のとおり。商品パッケージやWEBデザインなど、検討したいデザイン案の画像データを同サービスのサイトにアップロードする。そして解析ボタンを押すと、視線の注目度を数値と色で表示、さらに視線の動きの推移も表示する。解析までに要する時間は、わずか1分から2分程度。画像をスマートフォンで撮影し、その場で解析することも可能だ。「これまで数値化が難しかったデザインのインパクトを可視化できるのが大きな特徴」(森氏)と話した。
※サービスの法人窓口は、株式会社フジテックスまでお問い合わせください。
ソーシャル分析は定性情報の見える化が不可欠
講演者:鈴村賢治(プラスアルファ・コンサルティング 取締役)
「 ソーシャルメディア分析が注目される理由は、目の前の情報を検索すれば、手軽に市場の反響を収集でき、しかも、それがリアルタイムに手に入るため。競合他社の情報も集まり、まさに宝の山」と、プラスアルファ・コンサルティング取締役の鈴村賢治氏は語った。テキストマイニング技術によって、膨大な情報の中からビジネのヒントになり得る情報を効率よく抽出できるという。
マーケティング情報は、「定量情報」と「定性情報」の2種類がある。定量情報は売上実績や販売数量を示す数字であり、これは表計算ソフトを使えば簡単に集計できる。一方で定性情報は、購入理由や感想、要望など顧客の声を示すテキスト。読まないと理解できず、そのことが取り扱いを困難にさせている。しかし鈴村氏は、「定性情報にこそ、商品がなぜ売れているのか、または売れないのかについての理由や感情が集積されている」と指摘。さらに、「この膨大な量のソーシャルメディア上のつぶやきをスピーディーに活用していく情報活用力が、今後のマーケティング力を決める」とした。
こうした活動を支援する同社のテキストマイニングツール「見える化エンジン」は、アンケートなどの顧客の声分析のほか、ソーシャルメディア上の話題や評判などの定性情報を手軽に見える化できる。「マーケティングの現場に生活者の声を届け、企画や改善に活用しやすくする。それがミッションだ」と締めくくった。
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