スパイスボックスは7月10日、3Dプリンタやレーザーカッターをはじめとしたデジタルファブリケーション機器を設置したラボ「WHITE」を発足したと発表した。
「WHITE」は、同社のデジタルコミュニケーションデザイン局のクリエイティブチームに所属するテクノロジスト、インタラクションデザイナー、テクニカルディレクター、プランナーの計6名で構成。“Computing Anywhere / Anytime”をテーマとし、“どこでも・いつでも”企業がユーザーとコミュニケーションしていくための環境づくりやデバイス開発に取り組み、新しいコミュニケーションの実現・発信する場として育てていく。
同社内に設置されたラボルームは、さまざまなデジタルファブリケーション機器や工具を備え、幅広い領域のラピッドプロトタイピング(3Dプリンタなどを使って試作品を高速で製造すること)に対応できるようにした。また、ラボルームは社外のクリエイターにも積極的に開放し、社外との交流・コラボレーションの場にしていきたいという。
名称の「WHITE」は、“白”や“はじまり”“余白”などを表している。「プロトタイプ=起点・はじまりの場」といった意味、皆が集まれる「空き地」、また光の3原色(RGB)が交わって白になることから、「アイデア、テクノロジー、環境の融合する場所」といった複数の意味を込めているという。
WHITEの代表を務める同社のクリエイティブディレクター/テクノロジストの神谷憲司氏は、「デジタルを使った新しい企画がクライアントに求められており、デジタルエージェンシーもものづくりにもっと近づく必要があると考えている。このラボによって、提案の幅を広げ、そのスピードも加速していきたい」と話す。
同社は博報堂グループのデジタルエージェンシーとして2003年設立、今年10周年を迎える。今回のラボ設立により、これまで同社が手がけてきた企業のデータ分析などのマーケテイング領域と、プロトタイピングによるクリエイティブ領域の掛け合わせを社内で加進め、デジタル時代のメディア環境やデバイスの進化にいち早く対応していくための布石とする。