累計販売数が150万枚を突破した「TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ」プロモーション――オークローンマーケティング

宣伝会議は、6月5日に東京・港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で、「宣伝会議インターネットフォーラム2013」を開催しました。WEB・デジタルテクノロジーの発展と、それに伴って大きく変わりつつあるメディア環境や消費者行動をとらえ、企業コミュニケーションの未来と、そこでのデジタルの活用可能性を探る同イベント。今回の来場者数は、前回の2591人を大きく上回る3521人にのぼりました。
幅広い業種・業態の企業でデジタルマーケティングに取り組む責任者・担当者が登壇した講演はもちろん、そうした企業の取り組みをサポートするツールや技術を紹介する展示にも多くの人がつめかけ、会場全体が熱気に包まれました。ここでは編集部が特に注目した講演にスポットを当て、そのレポートをご紹介します。

登壇者:堀 秀樹(オークローンマーケティング 執行役員)

2012年6月に発売し、累計販売数が150万枚を超える大ヒットしたDVD「TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ」。発売元であるオークローンマーケティングは、これまで実施してきた「インフォマーシャル」のさらなる相乗効果を上げるべく、コンテンツを活用したプロモーションを実施した。その核となった3つの施策を、同社の執行役員の堀秀樹氏が解説した。

まず1つ目は、タレントを起用したマスコミ向けのPRだ。女芸人の森三中をイメージキャラクターとして起用し、「なりきりTRF」として各メディアに登場させた。さらに、彼女たちの後輩女芸人3名に本商品を使って、約1ヵ月間ダイエットにチャレンジをしてもらう企画を実施。その経過をメディアに露出させ、商品を使用した際の「ビフォーアフター」を表現した。堀氏は、「実際の効果を説明することが1番効果的だった」と話す。

2つ目はお客様を巻き込んだリアルイベントだ。TRFのメンバーから直接ダンササイズを教えてもらえるスペシャルレッスンの受講資格をプレゼントする企画を東京、大阪、名古屋、札幌、福岡で行い、毎回50名~100名が参加した。「こうした施策を通して、エクササイズやダンスを一緒に行ったときの達成感や高揚感、ライブ会場の空気感を体験、共有する場を提供し、商品への好感度を高めた」

そして、最後がフラッシュモブ動画だ。浅草の仲見世通りを舞台に総勢320名が突如ダンササイズを踊り出すフラッシュモブを撮影し、YouTubeで公開をした。「Web上で話題を作り、バスを発生させ、ECサイトへ流入させることが目的。フラッシュモブを選んだ理由は、消費者がついつい見てしまうコンテンツであることと、日本でのプロモーションにおける実例が少ないこと。さらに、広告よりも安価で可能だったこと」

こうした一連の施策が、テレビ番組はじめさまざまなメディアで多数紹介された。その結果、放送前後では、ECサイトと楽天サイトからの申込数が2倍以上伸びた。また、ターゲット層からの発売3カ月後と施策後の商品認知を調べたところ約20%が向上し、この数値が販売にも比例していた。同社では、今回の経験を生かし、従来のマスメディアを活用した広告にコンテンツマーケティングなど様々な施策を組み合わせながら、プロモーションを仕掛けていくという。


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宣伝会議 インターネットフォーラム事務局 2013
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