コンテンツ×ストーリーでファンをつくるGEのコミュニケーション――日本GE

宣伝会議は、6月5日に東京・港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で、「宣伝会議インターネットフォーラム2013」を開催しました。WEB・デジタルテクノロジーの発展と、それに伴って大きく変わりつつあるメディア環境や消費者行動をとらえ、企業コミュニケーションの未来と、そこでのデジタルの活用可能性を探る同イベント。今回の来場者数は、前回の2591人を大きく上回る3521人にのぼりました。
幅広い業種・業態の企業でデジタルマーケティングに取り組む責任者・担当者が登壇した講演はもちろん、そうした企業の取り組みをサポートするツールや技術を紹介する展示にも多くの人がつめかけ、会場全体が熱気に包まれました。ここでは編集部が特に注目した講演にスポットを当て、そのレポートをご紹介します。

登壇者:清水 智美(日本GE コーポレート・コミュニケーション本部 マネージャー)

トーマス・エジソンンを創始者とし、135年の歴史をもつゼネラル・エレクトリック(以下、GE)。現在は150カ国以上に事業拠点を持ち、売り上げの半分以上が米国外というグローバルカンパニーである。日本においても1866年に造幣局へ発電機を納入し、事業の歴史はすでに100年を越える。しかし、国内ではBtoB事業を中心としてきたため「世界のブランドランキング上位にありながら、日本での認知度が低いことは私達の課題」と日本GEコーポレート・コミュニケーション本部マネージャーの清水智美氏は話す。

 同社では、企業や、そこで働く人々の想いを伝えるため、デジタルメディアを通したコミュニケーションに注力。その中心となる媒体は、公式ウェブサイトとYouTube、2012年9月に開設したFacebookである。特にFacebookは、それぞれの媒体で行うストーリーテリングを拡散するためのシェアリングエンジンと位置づけ重要視している。

 ただ、清水氏は「Facebook単体での認知度向上は難しい」と認識し、既存ステークホルダーとの関係強化に重点を置き、その第一ターゲットには同社のことを知るビジネスマンや、各分野の有識者、メディアなどを想定する。そうした対象がオフタイムにFacebookを見る際に共感する情報とはどういうものかを考えコンテンツを開発し、12%から20%のエンゲージメントレートを維持している。こうした取り組みの効果について清水氏は「必ずしも『いいね! 』やエンゲージメントレートだけでは計れない」とし、ターゲットがどれだけGEに対する意識を変えたか、ファンとなってもらえたかを重視していると話した。

 清水氏は、モバイル化するデジタルテクノロジーによって、コミュニケーションの未来は人と人との関係性が大事になると予測。ビバキ社のリシャッド・トバコワラ氏の「世の中にソーシャルネットワークというものは存在しない。あるのはピープルズネットワークなのです」という言葉を紹介し、成功の鍵はターゲットに誠実に語りかけるコンテンツとストーリーであるとして、講演を締めた。


「これからのマーケティングに求められること」
をテーマに、コメントをいただきました。


「人」の本質の理解

清水 智美(日本GE)

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