広告とコンテンツを一体化する方法

さて、話を広告枠と広告コンテンツの話に戻します。サイズの小さいスマホのコンテンツだと下のように、PCと比べて広告枠を挟み込むにも限界があります。例えば1ページあたりの文字数を減らしてスペースを増やせば広告を入れられますが、非常に読みにくくなるので本質的な解決にはなりません。

一方、コンテンツと広告が一体となった記事広告は、画面サイズの影響を受けにくく、さらに、もし他のメディアに転載されても、広告が排除されにくくなります。

実際に、前回ご紹介した映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のPR記事も、勝手に台湾のメディアに転載されていましたが、映画の情報は省かれていませんでした。
知らないうちに台湾で映画の宣伝がされていたわけです。

台湾版「大阪の虎ガラのオバチャンと227分デートしてみた!」

つまり、コンテンツと広告の一体化は、ソーシャルメディアで拡散されるためだけでなく、スマホの浸透と、転載を阻止できないネットメディアの特性から見ても、合理的な選択だと思います。

そして一体化するには、まずは共通のキーワードを設定し、両者を結び付けます。映画『ライフ・オブ・パイ』では「虎」をキーワードに「大阪のオバチャン」と結び付けています。そして実際の記事では、キーワードを軸に、コンテンツと広告を交互に見せます。

従来のテレビCMのように、物語を分断するのではなく、下のように、広告とコンテンツが同時に並行して進行するようにします。情報の組み方そのものを変えてしまうのです。

そして、「共通キーワード」を決めてコンテンツを発想することが、企画のキモになります。

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谷口 マサト[LINE 広告事業部 チーフプロデューサー]
谷口 マサト[LINE 広告事業部 チーフプロデューサー]

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

Blog: http://blog.chakuriki.net/
Facebook: https://www.facebook.com/masato.taniguchi.5
Twitter: http://twitter.com/chakuriki

谷口 マサト[LINE 広告事業部 チーフプロデューサー]

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

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