二人組×二人組。
実は、僕らに声がかかったとき、ローンチのタイミングまで1カ月半を切っていた。短い間に紆余曲折、喧々囂々(そしてロスでの徹夜も)ありながらも、ここまでたどりつけたのは、ストラテジック・プラナーのカイルと、デジタル・アカウント・ディレクターのクレイグが様々なポイントでアドバイスをくれたからだ。彼らは仕事はもちろん、飲みに行ったりランチのときとかもいっしょにいる仲の良い二人組。コピーライター&アートディレクターが二人組で仕事をするように、きっとストプラ&アカウントの鉄壁の二人組なのだろう。
カイルはマスを含んだ360°のブランディングも手がけるが、特にソーシャル領域は得意のよう。打合せのあと、参考になる事例をさっとメールでおくってくれたり、このメディア/プラットフォームで展開するのがよいとか、このタイミングでこういうテーマでユーザーに投げかけるのがよいとか、プロダクトのポジショニングだけでなく、インタラクティブな手法を戦略的に描けるストプラだ。
聞けば、インターンからいくつかのデジタル・エージェンシーを渡り歩き、いまCHIATで仕事をしているという。「結局デジタル、ソーシャルだけで世の中にインパクトを与えられる仕事はあまりないと思うんだ。マス広告を含めて360°でアプローチできるCHIATにいる今とってもやりがいを感じてる」とカイルは言う。
CDをはじめクリエーターがコピーライター&アートディレクターを核にした集団であるCHIATにおいて、インタラクティブの手法論で戦略を描ける彼は、とても頼りにされている(もちろん僕らもとても頼りにしている!)。総合エージェンシーからデジタル・エージェンシーに移る人がいれば、その逆の人もいる。ここにも、ちがうフィールドからワクワクを求めてCHIATにやってきた海賊がひとりいる。
これを書いている今日が、このソーシャル・キャンペーンのローンチ当日なのだが、もうムービーが1つ投稿されたみたいだ。「いいね!」の数だけでなく、ユーザーがどんな投稿をしてくれるかが、このキャンペーンの成果。ほんとうにドキドキする。でも日本でやってきたことをベースに、アメリカで一つのキャンペーンを手がけられたこと、僕らの力が通用するんだということに、今日はひとまず祝杯をあげたい気持ち。だけど他の仕事もやることがたくさん。とりあえず、家に帰って『ねじまき鳥クロニクル』(ソーテル通り沿いにある、ロスの旭屋書店で買った)の続きを読むというささやかな時間を自分に与えよう。