なぜ支持率1.6%の維新と25.6%の自民党のLINE登録者が互角なのか
前回、2012年の韓国の大統領選挙で勝利をおさめたセヌリ党は、「カカオトーク」を効果的に使ったことが勝因のひとつと言われていると話しましたが、今回はもう少し詳しくその内容について解説したいと思います。
2012年の韓国の大統領選挙で勝ったセヌリ党のSNS戦略はカカオトークを中心としたものでしたが、一方で敗れた民主党はツイッターとフェイスブックを中心としたものでした。両党が異なる戦略をとったのは、それぞれがターゲットとする支持基盤が異なったからです。セヌリ党は、50代以上のシニア層からの支持が強いのですが、民主党は20代、30代からの支持が強い。これは偶然ではありますが、2012年にスマートフォンがシニア層に急速に普及したのもセヌリ党にとって追い風となりました。何より追い風となったのは、カカオトークの利用者数の多さ。韓国では、全人口の約60%が利用していることから「国民的メッセンジャー」とも呼ばれるほどです。
それでは日本の状況はどうでしょうか。ラインの利用者は約4500万人(2013年4月10日時点)ですので、全人口の30%ほどが利用している計算になりますね。スマートフォンの利用が若い層に集中していることを考えると、相対的にシニア層のライン利用率が低いことが推測できます。実際にスマートフォン利用率を見ると、50代以上が15%で、26%の20代と比べると半分ほどしかありません。そこで、政党がもつラインの公式アカウントの登録者数を見ると、自民党が9万1200人、公明党10万6400人であるのに対して、民主党は4万9900人、維新の会は7万900人です(全て12日時点の数値)。